ED(勃起不全)の原因と治療法・対策を解説

「勃起しづらい状態が続いているけれど、原因や対処法がわからない」という方も多いのではないでしょうか。 ED(勃起不全)は「血管や神経の障害」「心理的ストレス」「服用している薬」など、さまざまな要因によって引き起こされる状態です。 「中高年層が悩むもの」というイメージがあるかもしれませんが、どの年齢層でもEDになる可能性があります。 この記事では、EDの原因や対処法、予防策について解説しています。

【この記事でわかること】

  • 【原因別】EDの4つの種類
  • EDの原因別の対処法
  • EDの予防法
  • EDの検査法
  • EDに関するよくある質問

EDの4つの原因

EDの種類について、原因ごとに4つ紹介します。

  • 血管や神経の障害【器質性ED】
  • 神経的ストレス【心因性ED】
  • 血管や神経の障害と神経的ストレスが混じる【混合性ED】
  • 服用している薬剤【薬剤性ED】

詳しくみていきましょう。

血管や神経の障害【器質性ED】

血管や神経の障害により起こるEDを「器質性ED」といいます。
勃起するには、脳から神経を経由して特殊な物質が放出され、陰茎に多量の血液が送りこまれなければなりません。
しかし、神経・血管に以下のような異常がみられると、性器に十分な血液が流れ込まずにEDを引き起こします。

  • 血液の循環が悪い
  • 動脈硬化が進んでいる
  • 骨盤が外傷を受けている
  • 骨盤神経叢(こつばんしんけいそう)が損傷している

器質性EDになりやすい人の特徴は、以下のとおりです。

【器質性EDになりやすい人】

  • 喫煙する人
  • 過度に飲酒する人
  • 生活習慣病(糖尿病や高血圧など)の人
  • 脳腫瘍や脊髄損傷などの血管、神経に異常をきたす病気にかかった人

過度な飲酒や喫煙は血管に大きな負担をかけ、EDの原因となる恐れがあります。
また、器質性EDは身体的な要因で生じるため、加齢を感じ始める40〜50代に多い傾向にあります。

神経的ストレス【心因性ED】

「心因性ED」は、神経的なストレスが原因で起こるEDです。
ストレスやプレッシャーを強く感じると、脳からの指令が神経にうまく伝達されずEDを発症します。
心因性EDの原因はさまざまで「日常生活のストレス」や「性行為にまつわるトラウマ」が関係するケースが多いです。
EDの原因について、具体例をみてみましょう。

  • 子作りへのプレッシャー
  • 男性器へのコンプレックス
  • 性行為に対するトラウマや不安
  • 日常生活(仕事や夫婦関係など)におけるストレス

また、心因性EDになりやすい人の特徴は、以下のとおりです。

【心因性EDになりやすい人】

  • うつ病を発症している人
  • 仕事にストレスを感じている人
  • 夫婦関係がうまくいっていない人
  • 精神的なトラウマを抱えている人

心因性EDは30〜40代に多くみられますが、どの年齢層でも発症する可能性があります。

血管や神経の障害と神経的ストレスが混じる【混合性ED】

血管や神経の障害と、神経的なストレスが混じったEDを「混合性ED」と呼びます。
たとえば「器質性EDが原因で性行為にトラウマを抱え、精神面でもEDが促進される」というケースは珍しくありません。
混合性EDになりやすい人の特徴は、以下のとおりです。

器質性EDになりやすい人 心因性EDになりやすい人
・喫煙する人

・過度に飲酒する人

・生活習慣病(糖尿病や高血圧など)の人

・脳腫瘍や脊髄損傷などの血管、神経に異常をきたす病気にかかった人

・うつ病を発症している人

・仕事にストレスを感じている人

・夫婦関係がうまくいっていない人

・精神的なトラウマを抱えている人

器質性EDと同様に、混合性EDは40〜50代に多くみられます。

服用している薬剤【薬剤性ED】

「薬剤性ED」は、服用している薬の副作用で生じるEDです。
降圧薬や向精神薬のような、中枢神経・循環器系に作用する薬は、薬剤性EDを引き起こす可能性があります。
ただし、自己判断で薬を変更したり休薬したりすると、体調を崩すかもしれません。
副作用が気になっても自分で判断せずに、担当医に相談してみてください。
また、高血圧やうつ病は、病気自体がEDのリスク因子です。
薬が原因ではなく、病気が影響してEDになっている可能性も考えられます。
薬剤性EDになりやすい人の特徴は、以下のとおりです。

【薬剤性EDになりやすい人】

  • 降圧剤を服用している人
  • 精神安定剤・抗うつ薬などを服用している人
  • AGA治療薬や一部の前立腺肥大治療薬を服用している人

なお、薬剤性EDは薬が原因で生じる疾患のため、幅広い年代の方にみられます。

EDの原因別の治療法と対策

EDの対処法は、主に4つあります。

  • ED治療薬を処方してもらう【ED全般】
  • 薬を変更する【薬剤性ED】
  • カウンセリングを受ける【心因性ED】
  • 生活習慣を改善する【器質性ED】

原因ごとに説明するため、EDに悩んでいる人は参考にしてみてください。

ED治療薬を処方してもらう【ED全般】

どの種類のEDにも効果が期待できるのは、ED治療薬の服用です。
ED治療薬が処方されるまでの流れは、以下のとおりです。

  • 医療機関を受診する
  • 担当医からEDの定義に当てはまるかを評価される
  • 担当医から健康チェックを実施される
  • 担当医から薬の使用方法を説明される
  • 薬が処方される

ED治療薬には「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」という3つの種類があり、それぞれ薬剤は異なります。
ただし、作用メカニズムはどれも同じで、勃起するには性的な興奮も必要です。
ED治療薬を服用して症状を改善したい方は、お近くのクリニックに相談してみてください。

薬を変更する【薬剤性ED】

薬剤性EDは服用している薬の副作用によって引き起こされるため、薬の中止や減量、変更が症状改善につながります。
ただし、自己判断で薬を変更した場合、体調を崩す恐れがあります。
担当医と相談した上で、処方薬の変更や減薬を検討してみてください。
そもそも薬の中止が難しいならば、ED治療薬を併用するのが一般的です。
なお、ED治療薬には併用してはいけない成分が存在します。
服用している薬がある人は、ED治療薬を処方してもらう前に、使用中の薬について担当医に説明しておきましょう。

カウンセリングを受ける【心因性ED】

心因性EDの治療法としては、カウンセリングの受診が挙げられます。
具体的に、以下のような治療方法を実施します。

  • 知識不足による不安を軽減するために、EDについて十分な説明をおこなう
  • 心因性EDは克服できることを説明する
  • パートナーと前向きに話し合う重要性を理解してもらう

性行為へのストレス・プレッシャーを軽減するには、パートナーの理解も欠かせません。パートナーに「挿入以外にも愛情を示す方法がある」と理解してもらえば、性行為への不安が和らぐでしょう。
性生活に関する2人の問題と捉えるならば、パートナー同伴でカウンセリングを受けるのも選択肢の一つです。

生活習慣を改善する【器質性ED】

身体的な要因により発症する器質性EDには、生活習慣の改善が効果的です。
生活習慣の改善例としては、次のような方法が挙げられます。

  • 禁煙する
  • お酒の量を減らす
  • 十分な睡眠をとる
  • 有酸素運動や筋トレを実施する
  • 栄養バランスの整った食事をとる

EDには、男性ホルモンの一つである「テストステロン」の減少が影響します。適度な運動はテストステロンの促進を助けるため、EDの改善が見込めるでしょう。
さらに、運動はEDだけでなく、肥満や高血圧などの生活習慣病の予防にもつながります。

EDの予防法

EDの予防法を、以下にまとめました。

  • 禁煙
  • 適度な運動
  • お酒の量を減らす
  • ストレスをためない
  • 規則正しい生活リズム
  • バランスのよい食生活
  • パートナーとの話し合い

生活習慣病が原因となり、EDになるケースは多いです。
そのため「規則正しい生活」や「バランスのとれた食事」などが、EDの予防策になるでしょう。
身体的な要因のほかにも、精神的な要因でもEDは起こります。
たとえば、妊活のプレッシャーを感じている人は「愛を深める目的で性行為をおこなう」や「パートナーと話し合う」ことが大切です。

EDの検査法

EDの症状をチェックするには「IIEF5 日本語版」という質問票を使用します。
IIEF5(国際勃起機能スコア)は、世界中でEDの診断・治療に活用されており、信頼性の高い質問票です。
過去6ヶ月についての以下5つの質問に対して5段階で評価し、EDの程度を客観的に判断します。

  • 勃起を維持する自信の程度はどれくらいありましたか?
  • 性的刺激による勃起の場合、どれくらいの頻度で挿入可能な勃起の硬さになりましたか?
  • 性交中、挿入後どれくらいの頻度で勃起を維持できましたか?
  • 性交中、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか?
  • 性交を試みたとき、どれくらいの頻度で満足に性交できましたか?

そのほか、採血にて勃起に関係する内分泌ホルモンや血糖値、コレステロール値などを検査する方法もあります。

EDの原因に関するよくある質問

ED治療薬が効かないことはある?

ED治療薬は、あくまで勃起を補助する役割です。ED治療薬の使用方法が適切でない場合、効果を感じられない可能性があります。

 

【ED治療薬の効果を得にくいケース】

  • 飲酒している
  • 用量が少ない
  • 油ものを食べた
  • 内服の時間が適切でない
  • 性的刺激が不足している

 

担当医の説明をよく聞き、注意点を守ってED治療薬を使用してください。

旦那がEDになったらどうする?

旦那がEDになったときは、お互いの考えや悩みを話し合いましょう。

女性側から「EDについて一緒に調べよう」や「2人で解決策を考えよう」と提案すれば、パートナーも治療に対して前向きに取り組めます。

また、夫婦でカウンセリングを受けたり、妻からED治療をすすめたりするのも、手段の一つです。

ED治療薬を服用すると感度が落ちる?

基本的に、ED治療薬には感度を鈍らせる作用はありません。

ただし、ED治療薬は勃起時の硬さを高める効果があります。

個人差はありますが、陰茎が硬くなりすぎて、感覚が鈍くなったと感じる人もいます。

EDの原因がわからないときは何科を受診する?

EDの原因がわからない際は、ED治療を専門とするクリニックや泌尿器科で相談可能です。

なお、心因性EDの場合は、受診機関にて心療内科や精神科をすすめられるケースもあります。

EDはデリケートな問題ではありますが、一人で悩まずに医療機関を受診してみてください。

まとめ

この記事では、EDの原因や対処法、予防策について解説しました。

【この記事のまとめ】

  • 器質性EDは、血管や神経の障害を原因とする
  • 心因性EDは、神経的ストレスにより引き起こされる
  • 混合性EDは、器質性EDと心因性EDが混じって発症する
  • 薬剤性EDは、服用している薬剤の副作用で生じる
  • ED治療薬はED全般に効果が期待できる
  • 薬の変更により薬剤性EDの改善が見込める
  • 心因性EDの治療にはカウンセリングを実施する
  • 生活習慣の改善が器質性EDの対策につながる

EDは、適切な診察や治療により改善が期待できます。
デリケートな問題ではありますが、一人で悩む必要はありません。
EDで悩んでいる人は、クリニックの受診を検討してみてください。