心因性EDの4つの治し方・克服方法|妻だけEDとの違いも解説

ED(勃起不全)の症状を調べていくうちに「心に何かしらの原因があるのでは」と不安になる方もいるのではないでしょうか。 EDの原因はいくつかありますが、心因性EDとは緊張や不安によって勃起しづらくなる状態を指します。 その一種である「妻だけED」は、妻やパートナーにのみ症状があらわれるのが特徴です。 心因性EDは、原因となる心の問題が特定できれば、改善できる可能性が高いです。 この記事では、心因性EDが起こる原因や特徴、心因性EDと妻だけEDの違いを解説します。 心因性EDか確認できるチェックリストも紹介しているため、心因性EDを疑う方は活用してみてください。

【この記事でわかること】

  • 心因性EDの原因
  • 心因性EDが引き起こされるメカニズム
  • 心因性EDのセルフチェック方法
  • 心因性EDの治し方・克服方法
  • 心因性EDと妻だけEDの違い

この記事で自分が心因性EDなのかを判断し、パートナーとの関係性をうまく保つ手助けになれば幸いです。

心因性EDとは

心因性EDとは、ストレスや不安など心になにかしらの問題が生じて、勃起不全が起こる状態です。
身体的な問題はなく、勃起機能そのものは正常に保たれるのが特徴です。
仕事や生活環境におけるストレスなど、原因は多岐にわたります。
さまざまな原因が複雑に絡み合っていることが多く、自分では気づきにくい深層心理が関与している場合もあります。

心因性EDの改善には時間がかかりやすいため、焦らずに適切な対処法を見つけることが重要です。
パートナーとのよい関係性を保ちながら、必要に応じて専門家のサポートを受ければ、少しずつ症状の改善を図れるでしょう。

心因性EDの3つの原因

心因性EDのおもな原因は、以下のとおりです。

  • 精神の病気
  • 性生活のトラウマ
  • 日常生活の過度なストレス

原因についてそれぞれ見ていきましょう。

精神の病気

心因性EDを引き起こす原因の一つは、不安神経症やうつ病などの精神的な病気です。
たとえば、うつ病患者の場合、意欲の減退が性欲減退につながると言われています。
精神の病気で心が不安定だと、心因性EDを発症しやすいでしょう。

性生活のトラウマ

過去の性生活に関するつらい経験が、心因性EDにつながります。
一度トラウマになると、性行為をおこなおうとしてもフラッシュバックし、性的興奮を感じずに勃起できないためです。
とくに、幼いころのできごとが原因だと、記憶があいまいで原因を突き止めるまでに時間がかかります。
過去の体験が心因性EDの原因と疑われるときは、多くのケースで心理療法を検討してみましょう。

日常生活の過度なストレス

日常生活で生じる以下のようなストレスが、心因性EDを引き起こす可能性があります。

  • 仕事のストレス
  • パートナーとの不仲
  • 性行為に対する緊張や焦り
  • 不妊治療や妊活における性行為へのプレッシャー

精神的に強いストレスを感じていると、性的興奮が抑制されて勃起しづらくなります。
また、不安や心配が頭から離れずに性行為に集中できないのも、心因性EDを引き起こす原因です。

心因性EDが引き起こされるメカニズム

プレッシャーやトラウマなどの心の問題は、大脳のはたらきを低下させ、勃起障害を引き起こします。
勃起は、自律神経のうち「副交感神経」が優位になり生じる現象です。
しかし、精神的ストレスがかかると交感神経が優位に働き、副交感神経の働きがおさえられます。
自律神経をコントロールしているのが、大脳にある「視床下部」という領域です。
ストレスを感じつづけると視床下部の働きが乱れ、結果的に勃起障害が生じます。

心因性EDが20代・30代に多い理由

心因性EDが若年層に多いのは、各年代が抱える特有のストレスが原因です。
たとえば、20代では過去の性行為の失敗によるトラウマがあったり、経験の少なさから焦りや緊張、不安を感じやすかったりします。
30代になると、仕事でのプレッシャーや上司・部下との関係、妊活や不妊治療へのプレッシャーなどの負担が増える傾向です。
このような年代特有の精神的ストレスが勃起障害を引き起こします。
若いからといってひとりで悩まずに、困ったら専門家に相談するようにしましょう。

心因性EDのセルフチェック方法

心因性のEDは以下の項目でチェックできます。自身の症状が当てはまっているか確認してみてください。

  • 夜間の勃起や朝立ちの有無を確認する
  • 性行為以外での興奮状態を確認する

チェックリストでは「身体的な問題がないか」という視点を確認しています。
心因性EDはデリケートな問題であるため他人に相談するまでのハードルが高く、受診に至るのは1割ほどです。
受診すべきか判断する前に、チェックリストを活用して症状を確認してみてください。

夜間の勃起や朝立ちの有無を確認する

夜間勃起や朝立ちの有無は、心因性EDか判断するための重要な指標です。
心因性EDの場合、身体的な問題はないため、通常であれば夜間の勃起や朝立ちが起こります。
一方、器質的ED(病気や機能低下による勃起不全)では勃起力自体が衰えているため、夜間勃起や朝立ちは起きにくいです。
朝立ちは夜間勃起現象の名残で、日によって起こらない場合もあります。
夜間勃起はレム睡眠中(夢を見る浅い眠り)に起こるため、自分で気づかない場合もあるのです。
片方の要素だけで判断すると、心因性EDを見逃すかもしれません。そのため、朝立ちと夜間勃起の両方の有無を確認しましょう。

性行為以外での興奮状態を確認する

心因性EDでは「性行為に対するプレッシャー」が原因で勃起不全になるケースがあります。
そのため、対人のプレッシャーがないマスターベーションで勃起するかを試し、性行為以外の場面で性興奮があるかを確認してみましょう。
マスターベーションで勃起するかどうかで考えられるEDの原因は、以下のとおりです。

マスターベーションでの勃起の有無 考えられるEDの原因
勃起する 心因性ED
勃起しない ほかの原因

EDは、心因性以外に「薬剤性」「器質性」「混合性」というほかの原因もあります。
もし、マスターベーションでも勃起が起きづらいなら、ほかの原因によるEDかもしれません。
泌尿器科を受診して、専門家の指導を受けてみてください。

心因性EDの4つの治し方【薬が効かないときの克服方法】

心因性EDは以下の方法で治癒を目指します。

  • 心理療法
  • PDE5阻害薬の活用
  • パートナーとの協力
  • 生活習慣の見直し

治療法についてそれぞれ見ていきます。

心理療法

ED診療ガイドラインでは、薬物療法と心理療法の併用を推奨しています。
2つの方法をあわせておこなうと、EDの治療効果と性的満足度の両方でより高い効果が得られるためです。
代表的な心理療法は、以下のとおりです。

  • 性教育
  • 自律訓練法
  • 感覚集中訓練
  • 精神分析療法
  • カウンセリング

心理療法は専門家の指導のもとにおこなう治療のため、医療機関を受診しなければなりません。
EDの大元となる心の原因を解決するためにも、心理療法に取り組んでみてください。

PDE5阻害薬の活用

心因性EDには、PDE5阻害薬という「ED治療薬」が使用されます。日本で認可されているPDE5阻害薬は以下のとおりです。

  • シルデナフィル(バイアグラ)
  • バルデナフィル(レビトラ)
  • タダラフィル(シアリス)

薬の内服は「治療薬を飲んでいるから大丈夫」という自信や安心感をもたらします。
その結果、性行為に前向きな気持ちが得られ、心因性EDの改善が期待できます。

なお、インターネットで手に入るPDE5治療薬には、偽物や粗悪品が紛れている可能性があり自身の判断だけで使用するのは危険です。健康被害を引き起こす恐れもあるため、医師が処方する安全な薬を服用するようにしましょう。

パートナーとの協力

パートナーの協力や理解を得られると性行為への不安が減り、高い治療効果が見込めます。
心因性EDの患者さんのなかには、罪悪感からパートナーに打ち明けられない方もいます。
自分で抱え込んでいると性行為へのプレッシャーとなってしまい、EDが悪化するという悪循環につながるのです。

なお、心因性EDの理解を深めてもらうために、パートナーは専門家から以下について説明を受ける場合があります。具体的には以下のとおりです。

  • EDについて説明する
  • EDは克服できるものと伝える
  • 愛情を伝える方法は挿入だけではないことを理解してもらう

また、パートナーが性行為に関する要望を伝えるのも、お互いの理解を深めるのに有効です。
女性が性行為に関する意思表示をしないと、男性は「満足させられなかったのでは」と不安になる可能性があります。
性行為に関する不安は次の性行為でのプレッシャーにつながり、心因性EDの発症・悪化要因となり得ます。
この事態を防ぐために、パートナーと以下の方法を試してみてください。

  • 普段からスキンシップを多くする
  • コミュニケーションの機会を増やす
  • 性行為中のキスや前戯に時間をかける

性行為ではない単純なスキンシップでも幸福ホルモンとよばれるオキシトシンが分泌され、幸福度が増すと報告されています。
性行為以外に目を向けた方法で、心因性EDの改善を目指しましょう。

生活習慣の見直し

心因性EDは精神的ストレスが原因のため、ストレスを減らす生活でED改善が見込めるかもしれません。
ストレスを軽減する生活習慣として、以下があります。

  • 禁煙する
  • 暴飲暴食を避ける
  • 十分な睡眠をとる
  • 定期的に運動をする
  • 栄養バランスのとれた食事を摂する

生活習慣の乱れによってEDの症状が進行することもあります。
心因性EDの場合、身体的な問題はありませんが、症状を悪化させる原因は排除したほうが治療効果を実感しやすいでしょう。

運動習慣がなかった方には筋トレや軽い運動がおすすめです。
EDの症状が改善したという事例もあるため、気分転換を兼ねておこなってみてください。

心因性EDと妻だけEDの違い

心因性EDと妻だけEDは、以下の点で異なります。

違い 心因性ED 妻だけED
EDになる相手 誰でも 妻のみ
EDになる原因 日常生活のストレス ・妊娠や妊活のプレッシャー

・「女性より家族」という妻への認識の変化

性行為への考え方 愛情表現 義務(特に妊活中)

心因性EDは日常生活のストレスが原因で起こり、相手が誰であってもEDの症状があらわれます。
対して妻だけEDは、妻やパートナーに限ってEDになる点が特徴です。
たとえば、妊娠や妊活にともなって性行為が「義務」のように感じ、プレッシャーやストレスが高まって妻だけEDを発症する場合があります。
結婚後にパートナーを「女性」より「家族」として意識すると、性的な魅力を感じにくくなり、EDにつながるケースも少なくありません。
実際に、結婚後の性生活で勃起力の低下を感じる男性は少なからず存在します。

妻だけEDの場合、パートナーに状況を理解してもらうのが効果的な手段のひとつです。
とはいえ、パートナーに打ち明けられない方もいらっしゃるでしょう。
こうした場合でも、伝え方や治療方針について専門家が相談に応じてくれます。
まずは、原因を明らかにするために医療機関へ相談してみてください。

心因性EDに関するよくある質問

心因性EDについて、よくある質問と回答をまとめました。

  • 心因性EDは治りますか?
  • 心因性EDかも‥どうすればいいですか?
  • 心因性EDは薬が効かないこともありますか?
  • 心因性EDがバイアグラで治らないときは、どうすればいいですか?

心因性EDについての理解を深め、治療に向けて一歩踏み出す手助けになれば幸いです。

心因性EDは治りますか?

心因性EDかも‥どうすればいいですか

心因性EDかも‥どうすればいいですか

心因性EDの可能性を感じたら、泌尿器科を受診しましょう。

 

薬物療法や心理療法、生活習慣の改善などの総合的なアプローチによって、改善が見込まれます。

 

心因性EDを放置すると、うつ病をはじめとする重篤な精神の病気に発展する恐れがあります。

 

早めに専門家のサポートを得られると、回復までの時間が短くなる可能性が高まります。怪しいと感じたら、泌尿器科を受診してみてください。

心因性EDは薬が効かないこともありますか?

つぎの場合は、ED治療薬が効果を発揮しにくいケースがあります。

 

  • 性行為に対する不安やトラウマが強い
  • 仕事や生活におけるストレスや疲れが過剰にたまっている

 

薬が効かないからといって自己判断で治療を中断せず、専門家と一緒に解決策を見つけていきましょう。

心因性EDがバイアグラで治らないときは、どうしたらいいですか?


医師から処方されたバイアグラに効果を感じられない場合、以下の対処法を試してみましょう。

 

対処法 理由
バイアグラを空腹時に服用する 食後に服用すると効果が落ちるため
バイアグラの増量やほかのED治療薬への変更を医師に相談する 用量が不十分だったりバイアグラが合っていなかったりする可能性があるため
内服前の過度な飲酒を避ける 勃起をさせる神経の働きを弱まらせたり眠気を引き起こしたりするため
陰茎への性的刺激を十分に与える 性的刺激が加わると薬の効果が発現するため

 

市販薬や個人輸入品のバイアグラは、品質が保証されていないことがあります。使用を中断して泌尿器科で今後の治療を相談してください。

 

まとめ

この記事では、心因性EDについて解説しました。

【この記事のまとめ】

  • 心因性EDの勃起能力は維持されている
  • 幼少期のトラウマは原因究明までに時間がかかる
  • 妻だけEDはパートナーとの関係性が深く関係している
  • 心因性EDは原因が特定できれば治癒できる可能性が高まる
  • 心因性EDはパートナーの理解や生活習慣の改善などが治療効果を高める
  • 心因性EDのおもな原因は「精神の病気」「性生活のトラウマ」などである

心因性EDは、原因を特定し薬物療法と心理療法を組み合わせておこなうことで高い治療効果が望めます。

心因性EDの可能性を感じたら、悩みを一人で抱え込まずお近くのクリニックに相談しましょう。