髪の毛が抜ける原因は?異常な抜け毛や対処法を解説

髪の毛抜ける
「髪の毛が抜ける量が増えた気がするけれど、原因や対処法がわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。抜け毛は自然な現象であり、頭部に問題がない方でも1日当たり60〜80本の毛が抜けています。しかし、抜け毛の本数が明らかに多いときは、AGAや円形脱毛症などの疾患が疑われます。抜け毛を放置していると薄毛・脱毛が進行する恐れがあるため、早めの対応が重要です。この記事では、髪の毛が抜ける原因や仕組み、異常かどうかを見極めるポイントについて解説しています。

【この記事でわかること】

  • 髪の毛抜ける仕組み
  • 抜け毛がひどいときに疑われる病気
  • 髪の毛が抜けるのが正常か・異常かを見極める3つのポイント
  • 髪の毛抜ける原因
  • 髪の毛が抜けるときの対処法
  • ひどい抜け毛に関するよくある質問

抜け毛の知識を深め、髪の毛に関する不安を解消するための参考になれば幸いです。

髪の毛抜ける仕組みとは

髪の毛は1本1本に寿命があり、それぞれ発毛と脱毛を繰り返しています。この発毛・脱毛の繰り返しを「ヘアサイクル」と呼びます。

ヘアサイクルの流れを、以下にまとめました。

  1. 成長期(約2~7年)
  2. 中間期(約3週間)
  3. 休止期(約3ヶ月)
  4. 髪の毛が抜ける
※この時点で新しい毛が発生している

上記からわかるように、頭部が健康な方でも抜け毛は発生しています。

通常であれば、毎日50〜100本程度の毛が抜けても問題はありません。頭髪全体では成長期の毛が85〜90%を占める状態のため、薄毛・脱毛の印象を与えないでしょう。

しかし、何らかの原因によりヘアサイクルが乱れると、毛の成長期が維持できなくなります。結果として、脱毛症を引き起こし、抜け毛や薄毛が目立ってしまうのです。

抜け毛がひどいときに疑われる病気

抜け毛がひどいときには「AGA」または「円形脱毛症」が疑われます。

AGAは「Androgenetic Alopecia」の略称で、男性型脱毛症を指します。思春期以降に特定部分の髪の毛が、少しずつ抜けていく症状が特徴です。

一方、だ円から円形に毛が急に抜け落ちる病気を、円形脱毛症といいます。

AGAと円形脱毛症はどちらも抜け毛がみられますが、発症対象や主な症状、進行速度が異なります。

参考として、AGAと円形脱毛症の違いを表にまとめました。

円形脱毛症 AGA
発症する人 年齢に問わず男女ともに発症する 一般的に成人男性が発症する
主な症状 脱毛範囲の境目が明確な場合が多い 頭部全体で薄毛が進行する
進行速度 急速に進行する 長い時間をかけて徐々に進行する

注意点として、円形脱毛症でも脱毛範囲が明らかでなく、頭部全体で薄毛がみられる場合もあります。

判断が難しい際は、お近くのクリニックに相談してみてください。

髪の毛が抜けるのが正常か・異常かを見極める3つのポイント

髪の毛が抜けるのが正常か・異常かを見極めるポイントを、3つ紹介します。

  1. 毛根の形
  2. 髪の毛の太さ
  3. 抜け毛の本数

それぞれ具体的に説明していきましょう。

毛根の形

抜け毛が気になるときは、毛根の形をチェックすると参考になります。

抜けた毛の毛根が細くとがっている場合、AGAや円形脱毛症になっている可能性があります。

健康的な毛根は、マッチ棒のように丸く膨らんだ状態です。しかし、脱毛症になると頭部に炎症が生じて毛根が壊されたり・傷ついたりするため、先が細くなってしまいます。

髪の毛の太さ

髪の毛の健康具合をはかるポイントの2つ目は「髪の毛の太さ」です。

抜け毛に悩んでいる方よりも健康な方のほうが、毛が太い傾向にあります。

AGA患者と正常者の毛を比較した結果は、以下のとおりです。

【0.04~0.05mmの太さの比率】

  • 健康な場合:5.3~9.5%
  • 脱毛症の場合:10.0~14.6%

そもそも、日本人の毛髪の平均的な太さは、直径0.08mmといわれています。脱毛症の方は、平均よりも細い0.04~0.05mmの毛の割合が高いです。

「髪の毛が細くなってきた」と感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

抜け毛の本数

頭皮や毛根が健康な場合、1日当たりの平均的な抜け毛の本数は「60〜80本」です。1週間では、平均500本前後の抜け毛が生じます。

脱毛症でなくとも髪の毛は発毛と脱毛を繰り返すため、少しであれば抜け毛がみられても問題はありません。

ただし、平均本数よりも明らかに抜け毛が多い方は、脱毛症が疑われます。

髪の毛抜ける原因

髪の毛が抜ける原因は、以下のとおりです。

  • 加齢
  • 遺伝
  • 男性ホルモンの影響
  • 自己免疫疾患
  • アトピー性疾患
  • ストレスや疲労

各原因について、解説していきます。

加齢

加齢に伴い、毛包(毛根を頭皮の内側で包んでいる部分)は少しずつ小さくなります。毛包が小さくなると、毛が細く短くなるため、抜け毛や薄毛を引き起こすのです。

加齢による抜け毛は、老化現象の一つといえるでしょう。

遺伝

AGAと円形脱毛症は、どちらも遺伝する可能性があります。

円形脱毛症では、親等が近いほど遺伝する可能性が高まります。一卵性双生児がお互いに円形脱毛症にかかる確率は非常に高く、55%と報告されました。

さらに、1親等内における円形脱毛症の発症率は、一般に比べて10倍にも高まるといわれます。

男性ホルモンの影響

AGAにかかる主な原因は「遺伝」と「男性ホルモンの影響」です。

AGAで薄毛が生じる仕組みを、以下にまとめました。

  1. ホルモンバランスが乱れる
  2. 髪の毛の細胞に存在する酵素「5αリダクターゼ」が活性化する
  3. 5αリダクターゼが、男性ホルモン「テストステロン」と結びつく
  4. テストステロンが「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変化する
  5. DHTが髪の成長を抑制し、髪の寿命を短くする
  6. 髪の毛が長く・太く成長する前に抜けてしまう
  7. 薄毛が目立つようになる

簡単に説明すると、男性ホルモン「テストステロン」が「DHT」に変化した結果、薄毛を引き起こします。

そのため、DHTの量によって抜け毛は進行していきます。

自己免疫疾患

円形脱毛症にかかる原因の一つとして、自己免疫疾患が挙げられます。

自己免疫疾患とは、細菌またはウイルスを壊そうとする免疫機能が、自分自身を攻撃対象と認識する病気です。

自己免疫疾患になると、毛周辺の組織が壊されます。症状が進行するにつれて毛包に炎症が起き、毛が抜けてしまうのです。

アトピー性疾患

アトピー性疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎)の合併により、脱毛がみられるケースもあります。

アトピー性疾患と円形脱毛症には、以下のような関連性がみられます。

  • 患者本人や家族にアトピー素因がある:54%
  • 患者本人にアトピー素因がある:41%
  • アトピー性皮膚炎の合併:23%

※患者200名のデータより

なお、アトピー素因とは、アレルギーになりやすい体質的な要因です。アトピー素因のある方は、円形脱毛症になりやすいだけでなく重症化しやすいため、早めの対処を心がけましょう。

ストレスや疲労

直接的な原因となる確率は低いですが、ストレスや疲労も抜け毛に影響を与えると考えられます。

なぜなら、精神的負荷を感じると頭皮の血流が悪くなり、髪の毛が成長するための栄養が行き渡りにくくなるためです。

髪の毛が抜けるときの対処法

髪の毛が抜けるときの対処法は、主に3つあります。

  • 生活習慣を整える
  • 頭皮を清潔に保つ
  • クリニックを受診する

抜け毛で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

生活習慣を整える

以下のような生活習慣の改善が、抜け毛の予防につながります。

  • 睡眠と休養を十分にとる
  • ストレスをためこまない
  • 過度な飲酒・喫煙を避ける
  • 栄養バランスのよい食事をとる

髪の毛が成長するには睡眠や栄養、運動が欠かせません。

食事は栄養が偏らないように注意が必要です。加えて、毛を生成するもととなる「亜鉛」や「ビタミン」などの栄養素を、積極的に摂取しましょう。

頭皮を清潔に保つ

「抜け毛が気になるのでシャンプーの頻度を減らそう」と考える方もいますが、髪の毛を健康にするには、頭皮の清潔さが重要です。

脱毛が気になる場合でも、毎日または1日おきに頭皮と髪の毛を洗いましょう。

ただし「過度な頭皮マッサージ」や「刺激の強いシャンプー・コンディショナーの使用」は控えてください。頭皮に強い刺激を与えると、抜け毛に悪影響を及ぼす恐れがあります。

クリニックを受診する

髪の毛が抜けるときは、クリニックを受診しましょう。

一言で「抜け毛」といってもAGAや円形脱毛症、加齢の影響など、さまざまな症状が考えられます。

「加齢が原因だと思っていたけれど、実は自己免疫疾患による円形脱毛症だった」というケースもあります。

病名や原因が不明なままでは、適切な治療法を判断できず、脱毛の改善が難しいです。確実に抜け毛を治したいならば、医療機関で正しい処置を施してもらう必要があります。

ひどい抜け毛に関するよくある質問

ひどい抜け毛に関するよくある質問を、4つ紹介します。

季節によって抜け毛は増えますか?

一般的には、9月に抜け毛が増える傾向にあります。

 

脱毛症でない方の抜け毛に関するデータを、以下にまとめました。

【1人当たりの1週間の抜け毛総数】

  • 12月下旬:450~500本
  • 3月中旬:400~450本
  • 6月初旬:400~450本
  • 9月初旬:550~600本

 

季節ごとに本数は変動しますが、明らかに抜け毛が目立つときはクリニックに相談しましょう。

10代で髪の毛が抜けるのはなぜですか?

10代で髪の毛が抜ける原因は、以下が考えられます。

  • 誤ったヘアケア
  • 生活習慣の乱れ
  • 過度なストレス

 

抜け毛予防として、頭皮に優しいシャンプーを使って清潔な状態を保ち、規則正しい生活を送りましょう。

 

そもそも、10代で抜け毛に悩む方は珍しくありません。

 

AGAは早い方であれば10代から症状が出はじめ、円形脱毛症は年齢や性別に関係なく発症します。

髪の毛が抜けるときは何科を受診しますか?

髪の毛が抜けるときは、皮膚科または抜け毛治療を専門とするクリニックを受診します。

 

「髪の毛以外にも不調がみられる」または「ほかの病気の治療薬を飲んでから抜け毛がはじまった」という方は、内科の受診も検討してみてください。

 

なお、医療機関で「ストレスが原因の脱毛」と診断された場合は、心療内科の治療をすすめられるケースもあります。

ヘアカラーやブリーチは抜け毛の原因になりますか?

ヘアカラーやブリーチのアレルギー症状により、髪の毛が抜ける場合もあります。

 

ヘアカラーでかぶれた経験がある方は、皮膚科で原因となる成分を特定しておきましょう。

 

また「ドライヤーやアイロンをかけ過ぎたときの熱」や「太陽からの紫外線」も、毛を痛める要因となりえます。

まとめ

この記事では、髪の毛が抜ける原因や仕組み、異常かどうかを見極めるポイントについて解説しました。

【この記事のまとめ】

  • 髪の毛は発毛と脱毛を繰り返している
  • ひどい抜け毛はAGAや円形脱毛症が疑われる
  • 髪の毛が抜けるときは、毛根の形・毛の太さ・抜け毛の本数をチェックする
  • 1日60〜80本の抜け毛は自然現象だが、明らかに多い場合は脱毛症が疑われる
  • 抜け毛の主な原因は加齢、遺伝、男性ホルモン、自己免疫疾患、アトピー性疾患、ストレスなど
  • 抜け毛が気になるときは、クリニックで適切な診断・治療を受けることが大切

髪の毛が抜ける場合、AGAや円形脱毛症にかかっている可能性があります。症状や原因によって適切な対処は異なるため、早めにクリニックを受診しましょう。