毛根の白い玉「毛根鞘」とは?髪のトラブルを示すサインも解説

「抜け毛に白い玉が付いているけど、これって正常?」「抜け毛の根元が赤くなってたけど、もしかしてハゲるサイン…?」抜けた髪の毛に違和感があり、薄毛になるのではないかと不安に感じる人は少なくないでしょう。この記事では、髪の毛の根元を包む毛根鞘(もうこんしょう)の役割や毛根鞘の状態から予想される頭皮トラブルについて解説します。

【この記事でわかること】

  • 毛根に付いている毛根鞘の役割
  • 危険な毛根鞘のサイン
  • 薄毛になりやすい人の特徴
  • 抜毛症とはどのような疾患か
  • 毛根鞘の状態を良くたもつ方法

この記事によって毛根鞘について知り、髪の毛に関する悩みを解消できれば幸いです。

毛根に付いている白い玉「毛根鞘」とは

抜け毛の根元についた白い玉は髪の毛の一部である「毛根鞘」と、頭皮から分泌された「皮脂」のいずれかが考えられます。

毛根鞘は毛包(もうほう)という毛根を包み髪の毛をつくる構造の一部で、髪の毛が抜けないように支えています。

正常な髪の毛には毛根鞘がついており、髪の毛と一緒に抜け落ちるのが一般的です。

しかし、毛根に皮脂が付いている場合は、頭皮の皮脂分泌が過剰になっており、頭皮のトラブルや薄毛などをきたすサインの可能性があります。

毛根鞘と皮脂を見分けるポイントは以下のとおりです。

毛根を触ったときの感覚
毛根鞘 半透明 ぷるぷる
皮脂 白色、黄色 べたべた

白い玉が毛根鞘であれば、正常な髪の毛である可能性が高いです。

ただし、毛根を触ってべたつきを感じた場合は、皮脂が過剰に分泌しているかもしれません。

適切な毛根のケアや生活習慣の見なおしをおこない、頭皮のトラブルに注意しましょう。

正常な毛根鞘の役割と毛の成長メカニズム

髪の毛の組織は「毛」と毛を包む「毛包」で構成されています。

毛包の根元では、外側から内側に向けて次のような断面構造をしています。

毛包 結合組織性毛包
基底膜
外毛根鞘
内毛根鞘
毛皮質
毛髄質
毛乳頭

先述したように毛根鞘の役割は、内側の組織のサポートです。

内毛根鞘は毛を構成する毛髄質と毛皮質、毛小皮を支え、外毛根鞘は内毛根鞘を含め内側にある組織を支えます。

また、最も内側にある毛乳頭では髪の毛が作られ、周囲にある毛母細胞から放出される物質により髪の毛の成長が促されます。

つまり、毛根鞘の役割は髪の毛のサポートであり、生えるメカニズムには直接関係していません。

そのため、抜け毛に毛根鞘がついていても「もう生えてこないのでは」と心配しなくてもよいでしょう。

毛根鞘の危険な3つのサイン

先述したように正常な毛根鞘は半透明であり、ぷるぷるした触感があります。

次に挙げるような毛根鞘の変化がみられる場合は、薄毛をはじめとした頭皮トラブルの予兆かもしれません。

  • 毛根鞘に血が付いている
  • 抜け毛に毛根鞘がついていない
  • 毛根が細くとがっている

それぞれ確認しておきましょう。

毛根鞘に血が付いている

「毛根鞘に血が付いている」あるいは「抜け毛の根元が赤い」場合は、毛穴や毛根が傷付いている可能性があります。

以下に挙げる内容によって、毛穴が傷ついて毛根鞘に血が付きやすいです。

  • 強い力によって無理に髪の毛が引き抜かれた
  • 摩擦により頭皮が擦れた
  • 不適切なヘアケアをしていた

とくに、成長段階の髪の毛は皮膚に強くつなぎ止められていて抜けにくく、強い力で引っ張られると髪の毛が抜けるタイミングで出血しやすいです。

また、次のような行為は、頭皮が傷つく要因となる可能性があるため控えましょう。

  • 強い力で頭皮をブラッシングする
  • 爪を立てて頭皮をかきむしる癖がある
  • 頭がかゆいときに頭皮をガリガリと掻いてしまう

毛根鞘に繰り返し血がつく、頭皮の炎症、痛み、腫れなどの症状が続く場合は、専門の医師に相談してみてください。

抜け毛に毛根鞘がついていない

抜け毛に毛根鞘がついていない場合は、男性型脱毛症によってヘアサイクルが乱れているかもしれません。

男性型脱毛症になると成長期間の短縮が起こり、十分に成長していない、短く弱々しい髪の毛が抜けていきます。

多くの正常な髪の毛には毛根鞘があるのに対し、ヘアサイクルの乱れにより十分に成長せずに抜けた髪の毛には、毛根鞘が無い場合があるのです。

毛根鞘がついていない抜け毛が増える以外に、抜け毛の長さや髪の毛全体の毛量の変化を感じた場合も、男性型脱毛症の可能性が考えられます。

男性型脱毛症の治療は、若いうちにはじめると効果が得られやすいと言われています。

生活習慣を見なおし、専門の医師へ相談するとよいでしょう。

毛根が細くとがっている

細くとがっている毛根は、円形脱毛症や内科的疾患を示すサインの可能性があります。

通常、毛根はボウルのように丸い形状ですが、円形脱毛症をきたしている毛根は炎症により組織がダメージを受け、細くとがった形状です。

また、円形脱毛症は、自己免疫疾患(身体の一部を異物と捉えて攻撃し、さまざまな症状をきたす疾患)の一種と考えられ、以下の免疫に関連する疾患と合併するケースもよく見られます。

  • 自己免疫疾患(橋本病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)
  • アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)

毛根の変化の他に、明らかな体調の変化、自己免疫疾患やアレルギー症状の悪化などがみられる場合には、主治医に相談してみてください。

毛根鞘以外に髪の毛を失う要因【薄毛になりやすい人の特徴】

髪の毛を失う原因は、男性型脱毛症や円形脱毛症だけではありません。

以下の要因に当てはまる人は薄毛になるリスクが高いため、当てはまるものが無いかチェックしてみましょう。

薄毛のメカニズム リスク因子
円形脱毛症 毛根組織の破壊 ストレス、遺伝的体質など
男性型脱毛症 ヘアサイクルの短縮化 生活習慣の乱れ、遺伝など
自己免疫疾患 毛根組織の破壊 女性、家族歴など
アレルギー疾患 家族歴、アレルギー体質など
脂漏性皮膚炎 頭皮環境の悪化による毛穴の炎症 皮脂の異常、ストレスなど
抗がん剤をはじめとした薬剤 毛母細胞のダメージ 抗がん剤治療中の患者など
放射線治療 毛母細胞のダメージ、放射線が当たった部位の脱毛 がん治療などで放射線治療を受けている患者など

いずれかに当てはまり薄毛症状がみられる場合は、主治医あるいは毛髪の専門医に相談してみてください。

毛根鞘を抜くのは抜毛症の可能性あり

一部には、自分の髪の毛を抜いてしまったり、抜いた髪の毛を食べてしまったりする人もいます。

これらの癖がある人は、抜毛症かもしれません。

抜毛症の概要や原因、治療法について解説します。

抜毛症(トリコチロマニア)とは

抜毛症(トリコチロマニア)は、無意識に髪の毛を抜いてしまう精神疾患の一種です。

髪の毛を抜く行為は、必ずしも不安から生じるものではありません。何かに対して違和感や落ち着かない感覚があったときに、感覚を打ち消すためにおこなわれるケースが多いとされています。

また、抜毛症では次のような儀式的な行動が見られるケースも珍しくありません。

  • 特定の髪の毛(チリチリしている、毛根鞘が付いている)を選んで抜こうとする
  • 毛根だけ残るように髪の毛を切り取ろうとする

抜毛症は人口の1%に見られ、そのうちの三人に一人は、髪の毛を食べる食毛症を発症すると言われています。

胃にたまった髪の毛が固まると、胃潰瘍(いかいよう)や腸閉塞(ちょうへいそく)などの疾患をきたす可能性があるため、合併症に注意が必要です。

抜毛症の原因

抜毛症の明確な原因は、現地点ではわかっていません。

一説には、ストレスをはじめとした精神面の影響が大きいと言われています。

DMS-5という米国の学会によると、抜毛症では髪の毛を抜かないように注意していても、髪の毛を抜いてしまう特徴があると述べられています。

抜毛症の治療法

抜毛症の治療では、主に次のような治療法が選択されるケースが多いです。

治療法 概要
心理療法(認知行動療法) ・ネガティブな想像につながる思考の癖をバランスのよい思考に変える
薬物療法 ・とらわれている思考を薄れさせ、心理療法に取り組みやすくする目的でおこなう

・特定の抗うつ薬や精神安定剤などを使用する

抜毛症の治療では主に心理療法が選択されますが、症状の重さや改善の傾向によっては薬物療法を併用するケースも少なくありません。

抜け毛の原因が抜毛症の場合は、専門医(心療内科医)の指導を受けながら、少しずつ治療に取り組みましょう。

毛根鞘の状態を良くたもつ方法

毛根のケアが適切でないと、毛根鞘や頭皮の状態が悪化し、薄毛につながる可能性があります。

以下の内容に取り組めば、毛根鞘の状態が保たれ、薄毛リスクの低下が期待できます。

  • 自分に合うシャンプーを選ぶ
  • 十分な休息をとる
  • バランスのよい食生活を心がける
  • 頭皮マッサージに取り組む

一つずつ確認していきます。

自分に合うシャンプーを選ぶ

自分に合わないシャンプーの使用や誤った洗髪方法は、頭皮環境を悪化させて薄毛につながる可能性があります。

洗髪できていれば、頭皮の皮脂量の多さは、薄毛をきたす直接の要因にはなりません。

しかし、誤った洗髪方法が頭皮や髪の毛にダメージを与えたり、除去されなかった皮脂が毛穴に詰まったりすると薄毛を引き起こす可能性は考えられます。

通常、皮脂の分泌量は個人差があり、ホルモンバランスや年齢、季節などによっても変動します。

主に次のような点を意識して頭皮ケアをおこなうとよいでしょう。

  • 頭を洗いすぎない
  • 脂性肌の頭皮には、洗浄効果が高いシャンプーを使う
  • 乾性肌の頭皮には、コンディショニング効果のあるシャンプーを使う
  • 強い力で頭皮を洗わない
  • 十分に洗い流し、すすぎ残しが無いようにする

頭の洗いすぎ、脂性肌や乾燥肌のような頭皮のタイプに適していないシャンプーの使用などは、頭皮や髪を傷める要因となります。

十分な休息をとる

不十分な休息は、毛根や髪の毛の健康に悪影響をきたし、薄毛の原因となる場合があります。

睡眠不足やストレスなどは薄毛のリスクを高めることがわかっており、十分な休息は薄毛予防に欠かせません。

具体的には、以下のような内容に取り組むとよいでしょう。

  • 毎日決まった時間に就寝・起床する
  • 就寝の2時間前からスマホやPCなどを見ない
  • ひとりで解決できない悩みは誰かに打ち明ける
  • スポーツや読書などの気分転換できる趣味に打ち込む
  • コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲みものを就寝前に摂取しない

無理の無い範囲で十分な休息やストレス解消に取り組んでみてください。

バランスのよい食生活を心がける

食生活は、髪の毛の健康に大きな影響を与えると言われています。

たとえば、脂肪を多く含んだ食事を数ヶ月以上続けたマウスは、毛が薄くなるという報告もされています。

過剰に摂取した脂質は、皮脂の分泌促進により毛穴を詰まらせ、毛根の状態を悪化させる可能性があるためです。

毛根の健康をたもつには、たんぱく質、ビタミン、亜鉛など栄養素を摂取する必要があります。とくに髪の主成分であるたんぱく質を摂取すると効果的です。

主に、次のような食材を食事に取り入れるとよいでしょう。

  • 肉類
  • 卵類
  • 魚介類
  • 牛乳や乳製品
  • 大豆・大豆製品

また、海藻の摂取が髪の毛によいという認識をもっている人もいるかもしれません。

しかし、海藻だけを食べるのではなく、あくまでもバランス良く食べることが重要です。

できるだけさまざまな食材を取り入れられるよう、食生活を見なおしてみてください。

頭皮マッサージに取り組む

頭皮マッサージには頭皮を柔らかくしたり、頭皮の血流を促進したりする作用があるため、毛根への良い影響が期待できます。

皮下組織に存在する毛乳頭細胞は、頭皮マッサージにより活性化され、育毛効果が期待できると言われています。

頭皮マッサージでは、頭皮を押したり、もんだり、こすったりする方法が有効です。

次のようなポイントを意識して取り組んでみてください。

  • マッサージをおこなう時間は数分間にとどめる
  • 爪を立てず指の腹や手のひらでやさしくおこなう
  • 頭皮をこする際は濡れた状態を避け、すべりを良くしておこなう

一度の頭皮マッサージでも、頭皮に変化が見られるという報告もありますが、朝と入浴時、就寝前の1日3回、マッサージをおこなえると理想的です。

予防的に頭皮ケアをおこないたい人は、頭皮マッサージをはじめるとよいでしょう。

毛根鞘に関するよくある質問

毛根に関して、よくある質問に回答します。

薄毛の治療にはどのような方法がありますか?

薄毛の治療法は、原因によって異なります。

 

主な薄毛の原因と治療法は次のとおりです。

疾患名 治療法
円形脱毛症 ステロイド薬、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬の使用など
男性型脱毛症 内服薬や塗り薬の使用、自毛植毛など
自己免疫疾患をはじめとした特定の疾患 原因疾患の治療

 

薄毛の治療は正確な診断が重要なため、一度専門のクリニックを受診してみてください。

毛根鞘が抜けても髪の毛は生えてきますか?

毛根鞘が抜けても、髪の毛は再び生えてきます。

 

髪の毛を生やす役割は毛母細胞が担っており、毛根鞘は髪の毛を支える役割を果たします。

 

毛根鞘は十分に成長した髪の毛に存在する構造であり、毛根鞘のついた髪の毛は正常な証と言えるでしょう。

 

毛根鞘が抜けることが直接の原因となって髪の毛が生えにくくなったり、薄毛をきたしたりすることは考えにくいです。

抜けた髪の毛はどのくらいで生えてきますか?

抜けた髪の毛は、約3〜4ヶ月後に新しく生えてくるのが一般的です。

 

ヘアサイクルは、髪の毛が太く長く伸びていく成長期、成長が止まる退化期、髪の毛が抜けて生えてくるまでの休止期に分けられます。

 

ただし、男性型脱毛症をきたすとヘアサイクルが乱れ、細く短いうぶ毛のような髪の毛が目立つようになります。

 

髪の毛に違和感を覚えた場合は、専門の医師に相談してみてください。

まとめ

この記事では、髪の毛の根元を包む毛根鞘(もうこんしょう)の役割、頭皮のトラブルを示す可能性がある毛根鞘のサインについて解説しました。

【この記事のまとめ】

  • 毛根に付いている白い玉は毛根鞘と皮脂の場合がある
  • 「半透明で丸い形をしている」場合は、毛根鞘の可能性が高い
  • 「べたべたしている」「白色や黄色をしている」場合は、皮脂の可能性が高い
  • 「毛根鞘に血が付いている」「抜け毛に毛根鞘が無い」「毛根が細くとがっている」場合は頭皮トラブルに注意
  • 毛根のケアには「自分に合うシャンプー選び」「十分な休息」「バランスのよい食生活」「頭皮マッサージ」が効果的
  • 抜け毛に毛根鞘がついていても、髪の毛は再び生えてくる

毛根に付いている白い玉は、毛根鞘の場合と皮脂の場合があります。半透明でゼリー状の構造は毛根鞘であるケースが多く、正常な毛根の可能性が高いです。

ただし、ベタベタしていたりや白色、黄色をしていたりする場合は皮脂のケースが多く、頭皮トラブルをきたす可能性があります。

正常な髪の毛には毛根鞘がついています。毛根鞘が抜けたことが原因で、髪の毛が生えなくなることはありません。

豊かな髪の毛を維持するには、日ごろの毛根ケアが重要です。自分に合うシャンプー選びや十分な休息、バランスのよい食生活、頭皮マッサージに取り組んでみてください。