包茎手術|包茎の種類や治療方法・必要な人を解説
【この記事で分かること】
・包茎とは
・包茎の種類
・包茎の治療方法
・包茎手術の種類
・包茎手術のメリット・デメリット
・包茎手術が必要な人
この記事が包茎自体や手術の不明点を解消し、前に踏み出せる手助けになれば幸いです。
包茎とは
「包茎」とは、亀頭が包皮に覆われて露出していない状態です。日本人は包茎の人が多く、半数以上の男性が包茎ともいわれています。参考
「自分の包茎はどのくらいのレベルなのだろう」「自然に治るのか心配」などの悩みを相談できる場がなく、1人で悩む男性は珍しくありません。
また、包茎について正しい知識を得られる場は少なく、中には雑談ベースの誤った知識を持つ人もいます。少しずつ包茎について、理解を深めていきましょう。
包茎の3つの種類
包皮と亀頭の状態によって、包茎は以下の3種類に分けられます。
・真性包茎|包皮が剥けない
・仮性包茎|包皮が剥ける
・嵌頓(カントン)包茎|剥いた包皮が戻らない
自分がどのタイプに当てはまるかチェックし、治療の必要性を考えてみてください。
真性包茎|包皮が剥けない
状態 | ・包皮が亀頭を覆っている
・包皮を剥くことができない |
デメリット | ・陰部がにおう
・見た目が悪い ・勃起時に痛みが出やすい ・性行為に支障が出やすい ・炎症や感染症が起きやすい |
治療方法 | ・ステロイド軟膏 ・包茎手術 |
真性包茎とは、包皮で覆われたまま亀頭が露出しない状態を指します。
原因は包皮の先端が狭いこととされており、包皮が剥けやすくなる勃起時も、亀頭が完全に露出することはありません。つまり、重度の包茎といえるでしょう。
とはいえ、実は生まれた時の包皮は亀頭に癒着しているため、赤ちゃんは通常、みんな真性包茎です。
仮性包茎|包皮が剥ける
状態 | ・通常は包皮が亀頭を覆っている
・包皮を剥くことができる |
デメリット | ・見た目が悪い
・早漏になりやすい ・陰部がにおいやすい ・炎症や感染症のリスクがある ・性行為に支障が出ることもある |
治療方法 | ・包茎手術 |
仮性包茎とは、通常は包皮が亀頭を覆っているものの、勃起時や手で剥けば亀頭を露出できる状態です。普段の見かけは似ていても、亀頭を露出できるのが真性包茎との一番の違いです。参考
つまり、亀頭を露出できるなら、仮性包茎の可能性が高いと考えられます。
仮性包茎は医学的には問題ない状態とされており、性行為や排尿などの機能に支障がないケースがほとんどです。日本人は仮性包茎の人が多く、半数以上が仮性包茎ともいわれています。
しかし、普段は包皮に守られているため、仮性包茎の亀頭は刺激に弱く、早漏になりやすい傾向があります。また、きちんと包皮を剥いて洗わないと、感染症や陰部のにおいが出やすいのもデメリットです。
仮性包茎の治療は、余分な包皮を切除する包茎手術が一般的です。
嵌頓(カントン)包茎|剥いた包皮が戻らない
状態 | ・包皮によって亀頭が締め付けられている |
デメリット | ・痛みや腫れがある ・亀頭が壊死するおそれがある |
治療方法 | ・用手整復法(包皮を元の状態に戻す) ・包皮の切開・包茎手術 |
嵌頓包茎とは、剥いた包皮が元に戻らなくなる状態です。自分の包皮で陰茎を締め付けるため、非常に強い痛みや腫れを伴います。参考
嵌頓包茎を放置すると、血流が悪くなった亀頭が壊死する可能性もあります。放置せずに必ず治療を受けましょう。
包皮を亀頭に被せるだけで治ることもありますが、包皮の入口がきつい場合は包皮内の液体を抜く、包茎手術をするなどのケースもあります。参考①、参考②
包茎の治療方法3選
包茎の治療方法は、以下の3つが挙げられます。
・自然に治る
・自力で治す
・手術を受ける
結論をいうと、包茎を確実に治せるのは手術のみです。
しかし、病院に行かないで治せるかも気になるでしょう。
そこで3つの方法の違いや特徴を説明します。
自然に治る
子どもの包茎は、以下のように自然に治ることもあります。
・真性包茎:成長に従って自然に剥けるケースが多い
・仮性包茎:陰茎が大きく発達すると自然に治るケースもある
人間は真性包茎の状態で生まれ、成長すると包皮が剥けるようになるのが一般的です。そのため、包茎が原因で起こる細菌の感染や嵌頓包茎を繰り返すなどがなければ、小さな子どもの真性包茎は積極的な治療を行いません。
また、子どもの仮性包茎も、思春期に陰茎が発達すれば自然に治る可能性があります。
ただし、陰茎の成長が終了した大人は、包茎が自然に治るケースはほとんどありません。
常に包皮が剥けた状態を希望するなら、何かしらの治療が必要になるでしょう。
自力で治す
「剥き癖をつける」として市販されているリングやテープ、接着剤などの矯正器具は、包茎の悪化や痛みのリスクがあるため、基本的にはおすすめしません。
なぜなら、医学的な根拠がないものや安全性が低い商品もあるためです。使い方によっては、陰茎を強く締め付けたり、テープや接着剤でかぶれたりすることも考えられます。
もし矯正器具を使用する場合は、使用上の注意をよく読み、違和感があったらすぐに中止して受診しましょう。
【基本】手術を受ける
包茎を確実に治したいなら、手術を受けるとよいでしょう。
この後詳しく説明しますが、包茎手術とは包皮を切開して取り除き、亀頭を露出させる手術です。
保険が適用されるかは包茎の種類によって異なります。
日本人に一番多い仮性包茎は医学的に問題がないため、歯の矯正治療やヒゲ脱毛などと同じ「自由診療(健康保険の適用外)」です。真性包茎と嵌頓包茎は、保険診療を行う泌尿器科へ受診すれば健康保険で治療できます。
自由診療である仮性包茎の手術方法や費用は、クリニックによって異なります。手術の詳細は受診を検討するクリニックに問い合わせてみてください。
包茎手術の種類
包茎手術は、以下の2種類があります。
・切る手術
・切らない手術
確実性が高いのが「切る手術」、出血や腫れが少ないのが「切らない手術」です。それぞれの違いをみていきましょう。
【確実性が高い】切る手術
包茎を確実に治療できるのは、包皮を切る手術です。
基本的には「環状切除術」という、余った包皮を亀頭の下で切除して縫い合わせる方法が用いられます。
手術の流れは、以下の通りです。
1.陰茎の根元に局所麻酔をする
2.余った包皮を切除する
3.残した包皮を縫い合わせる
環状切除術は日帰りでの手術で、かかる時間は1時間ほどです。
デリケートな部位のため、手術後2週間ほどは腫れや出血がほぼ全員の患者さんにあらわれます。
手術後しばらくは不便がありますが、一度手術をすればその後包茎に悩むことはないでしょう。
【痛みが少ない】切らない手術
根本的な治療ではありませんが、以下のような手術でも包茎の改善が期待できます。
術式 | 方法 | 包茎が改善するしくみ |
亀頭増大術 | 亀頭にヒアルロン酸を注入して大きくする | 亀頭が大きくなることで、包皮が被さらなくなる |
長茎術 | 体内に埋もれている陰茎を引き出す | 陰茎が長くなることで、包皮が被さらなくなる |
どちらも包皮に手を加えるのではなく、亀頭を大きくする・陰茎を長くすることで包茎を改善します。
包皮を切らない手術は、手術後の傷痕が目立ちにくいのがメリットです。「陰茎が短い」「亀頭のボリュームがない」など包茎以外の悩みもある人は、切らない手術を検討してみてはいかがでしょうか。
包茎手術のメリット・デメリット
包茎手術(切る手術)のメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット | ・陰茎の見た目がよくなる ・コンプレックスが解消する・においや汚れが軽減する・病気を予防できる・早漏が改善する |
デメリット | ・術後の出血や腫れがある
・感度が変わる可能性がある ・手術費用がかかる |
包茎手術の一番のメリットは「見た目がよくなり包茎に関するコンプレックスが解消すること」です。また、つねに亀頭が露出するようになるため「包皮内の清潔を保てるようになる」「亀頭が刺激に慣れて早漏が改善する」なども、メリットといえるでしょう。
一方、手術後の出血や腫れが出やすいのは、デメリットといえます。また、健康保険が使えないため、自費での治療になるのも覚えておきたいポイントです。
しかし、手術後の出血や腫れが引けば、男性らしさにあふれた自信の持てる陰茎が手に入ります。メリット・デメリットの両方を理解したうえで、手術を受けるかを判断しましょう。
もし手術についての不安や気になる点がある場合は、包茎手術を行うクリニックまでお気軽にご相談ください。
包茎手術が必要な人・必要ない人
包茎手術が必要か必要ないかは、「包茎の種類」と「生活への支障が出ているか」で考えるとよいでしょう。
手術の必要な人・必要ない人を下の表にまとめました。
必要な人 | ・仮性包茎によって排尿や性行為に支障が出ている人
・真性包茎の人 ・嵌頓包茎の人 |
必要ない人 (医学的には) |
・仮性包茎で排尿や性行為に問題がない人
・健康な子ども |
真性包茎と嵌頓包茎は放置すると健康上のリスクがあるため、基本的には包茎手術を受けるのが望ましいです。
一方、日本人の多くを占める仮性包茎は病気ではないため、治療をするかどうかは個人の意思に任されます。ただし、排尿や性行為に支障が出たり、陰茎の炎症や感染症になりやすかったりする場合は、手術が望ましいでしょう。
包茎手術に関するよくある質問
包茎手術は泌尿器科で受ければ保険がききますか?
泌尿器科でも、仮性包茎の手術は保険適用になりません。なぜなら、健康保険が適用されるかどうかは手術をする診療科ではなく、包茎の種類によって決まるからです。
包茎の種類と、保険がきくかどうかを下の表にまとめました。
仮性包茎 | 保険がきかない |
真性包茎 | 保険がきく |
嵌頓包茎 | 保険がきく |
つまり仮性包茎の手術は、泌尿器科、包茎手術のクリニックのどちらでも「保険適用外(自由診療)」です。
ただし、クリニックごとに細かな施術内容やほかの陰茎手術(亀頭増大術・長茎術など)と組み合わせできるかは異なります。
細かな施術内容は、受診を検討するクリニックへ問い合わせてみるとよいでしょう。
包茎手術を受けると後遺症が出て後悔しますか?
国民生活センターによると、包茎手術により以下のような後遺症が出たという後悔の声があります。
- 出血が続く
- 傷口がうまくふさがらない
- 手術部位の痛みや腫れが強い
ただし、とくに問題がなかった人は何もいわないため、後悔の声が目立ちやすいのは事実です。
手術後の痛みや腫れには、個人差があります。クリニックでの説明をよく聞き、リスクを理解したうえで受ける治療を考えてみてください。
包茎手術をすると陰茎は大きくなりますか?
包茎手術は陰茎を大きくするための手術ではありませんが、中には以下の理由で「大きくなった」という人もいます。
- 亀頭の血流が改善して陰茎が大きくなった
- 包皮による圧迫がなくなり、亀頭が膨らみやすくなった
- 亀頭が露出するようになり、陰茎がたくましい印象になった
なお、包茎手術後に手術部位が腫れて、一時的に陰茎が大きくなったように見えるケースもあります。その場合は、2〜3週間ほどで腫れが引けば元の大きさに戻るため、心配はありません。
包茎手術後は痛いですか?
手術後は、以下のような痛みが出る場合があります。
- 亀頭が下着に擦れることで出る痛み
- 手術した部分の痛み
個人差がありますが、人によっては痛みが10日ほど続く場合もあります。強い痛みが続く場合は、早めにクリニックへご相談ください。
なお、陰部に局所麻酔をするため、手術をしている時の痛みはごくわずかです。
まとめ
この記事では、包茎の種類や包茎手術について全般的な内容を解説しました。
【この記事のまとめ】
・包茎とは、亀頭が包皮に覆われている状態
・包茎は「真性包茎」「仮性包茎」「嵌頓包茎」の3種類
・大人の包茎は手術による治療が基本
・包茎手術は「切る手術」「切らない手術」があり、確実性が高いのは「切る手術」
・包茎手術をすると見た目がよくなり、包茎によるコンプレックスを解消できる
・衛生面や感染症のリスクを減らせるのもメリットである
・包茎手術のデメリットは、術後の腫れや出血、手術費用など
・真性包茎と嵌頓包茎は基本的に手術がすすめられる
・仮性包茎によるコンプレックスは、手術で改善できる
亀頭が包皮に覆われている「包茎」は、包皮の状態によって「真性包茎」「仮性包茎」「嵌頓包茎」の3種類に分類されます。
子どもの包茎は成長するにつれて改善するケースがありますが、大人の包茎治療は手術が基本となるでしょう。
包茎手術は「切る手術」「切らない手術」があり、確実性が高いのは余計な包皮を切除する「切る手術」です。術後は一時的な出血や腫れが生じますが、手術は基本的には一度きりで受ければその後包茎で悩むことはありません。
包茎手術のメリットは、見た目の改善によりコンプレックスが解消することです。また、手術によって亀頭が露出するようになれば、清潔を保ちやすくなり、感染症のリスクも下げられます。一方、デメリットは手術後の腫れや出血、手術費用などです。
メリット・デメリットを知り、自分に手術が必要かをぜひ考えてみてください。
包茎手術についてや、自分の包茎がどの程度か気になる方は、ぜひ気軽にご相談ください。