真性包茎とは|特徴や問題点、治療法について解説!

真性包茎とは
真性包茎は自分で陰部の皮を剥けず、亀頭が出せない状態です。 陰部を清潔に保てないので、臭いや炎症などを引き起こす可能性があります。 また、性行為への支障や見た目の悪さから、真性包茎が精神的なストレスにつながる可能性も考えられるでしょう。  この記事では、真性包茎の特徴と問題点、効果的な治療法について解説します。 この記事を読めば対処法がわかるので、陰部の悩みを解消してストレスのない生活を送れるようになります。

【この記事でわかること】
真性包茎の概要
ほかの包茎との違い
真性包茎の7つの問題点
真性包茎の2つの治療法

真性包茎とは

真性包茎とは、通常時だけでなく、勃起しているときも亀頭が出せない状態です。
陰部の皮が亀頭や皮同士と強く張り付いているため、亀頭の出口が狭くなっています。
勃起すると陰茎の皮膚が引っ張られ、陰部の痛みや張りを感じる可能性があります。

真性包茎の原因

真性包茎の主な原因は、以下のとおりです。
・糖尿病
・硬化性苔癬(たいせん)
・陰部先端の皮の伸びにくさ
・亀頭や陰部の同士の張り付き

糖尿病や硬化性苔癬(たいせん)などの病気では、皮膚の炎症で陰部の皮が伸びにくくなるため、包茎を引き起こすケースがあります。
また、海外では宗教や風習によって子供の頃に包茎手術を受けさせたり、積極的に皮を剥いたりする「割礼(かつれい)」を行う地域があります。
しかし、日本では皮を剥く習慣が一般的ではないので、海外の男性より真性包茎になりやすいです。

真性包茎の割合

日本人の真性包茎は、以下の割合で発症していると言われています。参照①参照②
 真性包茎の割合
子供の多くは真性包茎です。身体が大きくなる過程で、陰茎の成長や勃起などで陰部の皮が広がり、徐々に皮と亀頭の張り付きがなくなります。
ほとんどの場合、思春期を過ぎる頃には真性包茎が改善します。

真性包茎の治療の必要性

思春期を過ぎても真性包茎が改善しないときは、治療の必要性があります。
陰部の痛みや病気、性行為への支障につながる可能性があるからです。
しかし、自覚症状がなく、日常生活に支障がないときは、治療しなくても良いケースがあります。
自己判断は難しいため、不安に感じたときは泌尿器科や専門のクリニックを受診し、治療の必要性について相談してみてください。

真性包茎とほかの包茎の違い

真性包茎ではない包茎には、以下の2種類があります。
・仮性包茎
・嵌頓(かんとん)包茎

ほかの包茎の特徴を知ることで、自分が真性包茎なのか判断しやすくなるでしょう。

仮性包茎【自分で皮を剥ける】

仮性包茎とは、通常時に皮が亀頭を覆っていても自分で簡単に皮を剥けたり、勃起したときに自然と亀頭が出せたりする状態です。
痛みや硬さで陰部の皮が剥けない真性包茎と比べて、仮性包茎はスムーズに皮が剥けます。
排尿や性行為などの日常生活で、支障が出るケースはほとんどありません。
皮を剥いて洗えば陰部を清潔にできるので、仮性包茎は治療の必要性が低いです。
仮性包茎について詳しく見る

嵌頓(かんとん)包茎【陰茎が締め付けられる】

嵌頓包茎とは、無理やり陰部の皮を剥いて亀頭を出した結果、出口の狭い皮に陰茎が締め付けられている状態です。
真性包茎と違って亀頭を出せますが、嵌頓包茎の場合は陰茎に明らかな締め付けを感じます。
そのため、陰茎の血流が悪くなるだけでなく、長時間放置すると陰部の腫れや壊死を引き起こす可能性があります。
亀頭が皮の内側に戻らずに陰茎が締め付けられているときは、早急に病院や専門のクリニックを受診しましょう。
カントン包茎について詳しく見る

真性包茎の7つの問題点

真性包茎の主な問題点は、以下の7つが挙げられます。
・陰部が痛い
・陰部が臭い
・排尿がしにくい
・陰部の見た目が悪い
・陰部のサイズが小さい
・性行為に支障が出やすい
・炎症や感染症が起きやすい

真性包茎のリスクを知っておけば治療の必要性を理解できるので、陰部のコンプレックス解消につながります。

陰部が痛い

真性包茎は、皮と亀頭が強く張り付いている状態であるため、剥こうとすると陰部の皮や亀頭に痛みが生じます。
むりやり剥くと皮膚がはげて、亀頭から出血することもあるでしょう。
また、勃起しても皮が十分に伸びないため、性行為で陰茎や皮膚に痛みを感じるケースもあります。

陰部が臭い

真性包茎の場合は、亀頭や皮の内側を十分に洗えず、皮脂や恥垢(ちこう)などの汚れが溜まりやすいです。
また、蒸れた環境で細菌が繁殖すると、陰部に溜まった汚れが細菌によって分解され、悪臭を放つ可能性があります。
チーズやイカのような酸っぱい臭いがあると、陰部にコンプレックスを感じやすくなるでしょう。

排尿がしにくい

排尿がしにくい症状も、真性包茎で生じる問題のひとつです。
尿道の出口を覆っている皮が邪魔な影響で、尿が散らばったり、出にくくなったりします。
過去には重度の真性包茎の方が排尿できなくなり、緊急手術を受けたケースも報告されています。

陰部の見た目が悪い

本来は思春期を過ぎると、ほとんどの真性包茎は自然に改善します。
そのため、大人になっても真性包茎が改善されないと、他人の陰部と見た目が違うことに恥ずかしさを感じるかもしれません。
一方、日本人男性の半数以上を占めると言われている仮性包茎は、自分で皮を剥けるので見た目の悪さを感じにくいです。
真性包茎で陰部にコンプレックスがあると、温泉や性行為などを楽しめない可能性があるでしょう。

陰部のサイズが小さい

真性包茎は皮の出口が狭いうえに、皮自体が伸びにくいため、亀頭や陰茎の成長を邪魔する可能性があります。
その結果、陰茎が小さくて短い「短小」や、亀頭が小さい「先細り」の陰部になるかもしれません。
陰部が小さいと見た目や性行為での満足度が低くなり、陰部のコンプレックスにつながりやすいです。

性行為に支障が出やすい

真性包茎は陰部の皮が剥けないので、性行為のときに以下のような支障が出やすいです。
・性的な刺激を感じにくい
・遅漏や早漏になりやすい
・コンドームが外れやすい
・勃起や性行為で陰部が痛い

性行為で満足できないと、パートナーとの関係が悪くなるかもしれません。

炎症や感染症が起きやすい

真性包茎は亀頭や皮の内側を十分に洗えないため、陰部を清潔に保つことができません。
また、汚れが溜まっていくと、炎症や感染症などを引き起こす可能性があります。
真性包茎が原因で悪化しやすい病気として、以下が挙げられます。
・亀頭包皮炎:亀頭や陰部の皮で起こる炎症
・尿路感染症:尿道や膀胱に細菌が入って起こる感染症
・陰茎がん:陰茎や亀頭、陰部の皮などに発生する悪性腫瘍
・性感染症:性行為で起こるクラミジアやヘルペスなどの感染症

陰部の病気を引き起こすと、痛みや不快感などで日常生活にも支障が出やすいでしょう。

真性包茎に効果的な2つの治療法

真性包茎の改善が期待できる主な治療法は、以下の2つです。
・軟膏
・包茎手術

包茎を治すための矯正道具が販売されていますが、医学的な根拠がないため効果は期待できません。
それぞれ見ていきましょう。

軟膏【効果が期待できる】

真性包茎の効果的な治療法のひとつとして、ステロイド軟膏が挙げられます。
軟膏を塗って陰部の皮を柔らかくすることで、皮を剥きやすくします。
とくに、子供の真性包茎に効果的で、一番濃度の高い軟膏(0.12%)を使った研究では、以下のように96.8%の症例に効果が認められました。
・包茎が完全に改善:74.2%
・尿道の出口が見えるまで改善:22.6%

1日2回、陰部の皮に塗ることで、半年以内に包茎が改善する可能性があります。
使用する軟膏は、ステロイド系のリンデロンVG軟膏などが一般的です。
価格は1,000円程度ですが、処方される病院やクリニックによって異なります。

包茎手術【効果が期待できる】

真性包茎の改善に効果的なのは、包茎手術です。
軟膏は成長期にある子供の真性包茎に効果的ですが、陰部の成長が止まっている大人は自然に治る可能性が低いため、手術を行います。
包茎手術では陰部の皮を切ることで、ほぼ確実に亀頭を露出させます。
手術後は皮が剥けた状態になるので、陰部を清潔に保てるようになるでしょう。
主な手術方法は、以下の表をご覧ください。

手術法 内容
環状切開術 陰部を一周するように皮を切り、医師の意見や患者の希望に沿った場所で縫い合わせる
背面切開術 皮の先端を縦に切り、開いた皮を陰茎に縫い付ける

 

上記以外にも、クリニック独自の手術法を行うケースがあります。
手術では麻酔を使うため、ほとんど痛みを感じません。
しかし、術後には、炎症による痛みが続く可能性があります。
また、手術から1ヶ月程度は、入浴や性行為などの日常生活に制限がありますが、以降は手術前と同じような生活が可能です。
包茎手術にはリスクがあるので、病院やクリニックで相談しながら治療を検討してみてください。

矯正道具【効果が期待できない】

ネットで紹介されている包茎治療用の矯正道具は、効果が期待できません。
どれも科学的な根拠がないからです。
矯正道具は、以下のようなものがあります。
・矯正リング:皮を剥いた状態をリングで止める
・矯正テープ:皮を剥いた状態をテープで固定する
・矯正ペンチ:皮の内側にペンチを差し込んで入り口を広げる

上記の矯正道具を使って包茎が改善した例は、これまでに報告がありません。
むしろ、道具を使うと、痛みや血流の悪さを引き起こす可能性があります。
矯正道具の使用はリスクが高いため、自分の包茎に不安を感じたら、病院や専門のクリニックで相談してみましょう。
当院では、陰部に関するさまざまなお悩みに対してカウンセリングを実施しています。1人で抱え込まず、気軽に相談に来てみてください。

真性包茎に関するよくある質問

包茎手術後の経過は?

包茎手術後の経過として、1ヶ月程度は炎症による痛みや出血、腫れが続く可能性があります。

また、入浴や運動、性行為などで生活上の制限もあります。

真性包茎は不妊と関係ありますか?

真性包茎が原因で不妊となる可能性は低いです。

しかし、亀頭が皮で覆われていると、射精しても十分な量の精子が子宮に届かない可能性があります。

また、真性包茎で陰部が痛くなったり、性的な刺激を感じにくかったりすると、不妊につながるかもしれません。

真性包茎で手術にかかる費用は?

真性包茎の手術費用は、病院やクリニックによって大きく異なります。

一般的な包茎手術の費用は、15万円から300万円程度です。

ある調査によると、患者の予想と実際にかかった費用には、以下のような差があることがわかっています。参考

  • 心づもりしていた金額:5〜10万円が最多
  • 実際にかかった金額:50〜150万円が最多

もしも、包茎手術を受けるときは、費用面についても事前に医師と相談しましょう。

 

 

包茎手術は保険適用でも受けられる?

真性包茎の場合、保険適用で包茎手術を受けられる可能性があります。

排尿のしにくさや性行為への支障など、日常生活に問題が出やすいからです。

保険適用で包茎手術を受けるときの費用は3〜5万円程度で、自由診療より安く治療を受けられます。

保険適用の手術ができるかの自己判断はできないので、包茎で悩んでいるときは病院やクリニックで相談してみてください。

皮を剥いて白くなった部分は大丈夫?

皮が剥けて白くなっている部分は、恥垢(ちこう)が溜まっている部分である可能性があります。

ゆっくり洗っていけば汚れが落ち、徐々に色が薄くなるでしょう。

腫れや痛みがあるときは炎症が起きている可能性があるので、自己判断せずに一度病院で相談してみてください。

高校生の真性包茎はどうしたらいい?

高校生での真性包茎の割合は25%程度と言われているので、早急に治療する必要はありません。

しかし、一般的に思春期にあたる高校生は、自分の包茎にコンプレックスを感じやすいです。

親や友人にも相談しにくく、一人で抱え込んでしまうケースも多いでしょう。

精神的なストレスが長く続くと、うつなどの病気につながる可能性もあります。

包茎が気になったら親に相談し、一度病院やクリニックを受診してみてください。

勇気を出して病院を受診できれば、医師のアドバイスで適切な対処法が見つかるようになるでしょう。

まとめ

この記事では、真性包茎について解説しました。
【この記事のまとめ】
・真性包茎は陰部の皮が亀頭に張り付いており、自分で皮を剥けない状態
・子供の多くは真性包茎だが、陰茎の成長や勃起などによって徐々に改善される
・真性包茎以外の包茎には、自分で皮が剥ける仮性包茎と、皮で陰茎が締め付けられる嵌頓包茎がある
・痛みや臭い、排尿のしにくさなど、思春期を過ぎた真性包茎にはさまざまな問題が生じやすい
・治療法として効果的なのは軟膏と包茎手術で、矯正道具は効果が期待できない

真性包茎の多くは、思春期を過ぎる頃には自然に解消されます。
しかし、大人になっても真性包茎の状態が続いていると、見た目の悪さや性行為での支障により、陰部に対してコンプレックスを感じやすいです。
軟膏や手術などの効果的な治療法があるので、少しでも不安に感じたら医療機関を受診しましょう。
当院では、真性包茎に対する治療を行っています。
手術の必要性やリスクについても丁寧に説明し、一人一人の希望に合った治療を提供しているので、包茎に悩んでいるときはぜひ当院を受診してみてください。