包茎と妊娠には関係がある?|影響や確率を高めるための対策を解説

包茎に悩む男性のなかには、妊娠できないのが「自分の包茎のせいではないか」と不安に思う方もいるでしょう。 結論からいうと、包茎自体は妊娠率を下げる直接的な原因にはなりにくいです。 ただ、包茎は、さまざまな要因から妊娠に影響を与える可能性があります。 この記事では、包茎と妊娠の関係性や、包茎の男性が妊娠率アップのためにできる対策を解説します。

【この記事でわかること】

包茎が妊娠にあたえる影響
妊娠に影響のある包茎の種類
包茎以外で妊娠しにくい男性の特徴
妊娠率をあげるために男性ができること

いろいろな対策によって、パートナーとの関係が良好になる手助けになれば幸いです。

包茎と妊娠は無関係ではない

「包茎であることが妊娠率を下げる」というデータはありません。
しかし、包茎が間接的に妊娠へと影響することがあります。
その理由は以下のとおりです。

  • 感染症になりやすい
  • 挿入が痛くて性行為ができない
  • 包皮が邪魔になり膣内に十分射精ができない

それぞれくわしく解説します。

感染症になりやすい

包茎の男性は、陰部における感染症のリスクが高くなります。包皮が亀頭をおおっているため、陰部の洗浄が難しく、雑菌が増えやすいからです。
特に真性包茎の場合、包皮をめくって洗うことができないため、ほかの包茎よりも菌が増えやすく感染症のリスクが高まります。
感染した男性が避妊せずに性行為をすると、パートナーに細菌がうつる可能性があります。
その場合、細菌性膣症(さいきんせいちつしょう)とよばれる膣の感染症となり、妊娠しづらい状態となるのです。
ある研究では、不妊症女性の19%が細菌性膣症を発症していたことが明らかになっています。参考
細菌性膣症が不妊状態を引き起こすメカニズムは明確になっていませんが、少なくとも不妊のリスク因子のひとつとして考えられています。
このように、包茎による不衛生な状態が感染症のリスクを高め、妊娠しづらい状況を作りあげているのです。

挿入が痛くて性行為ができない

包茎の方は、挿入前後の動きによって包皮がひっぱられ、陰茎に痛みが生じることがあります。
そうすると挿入しても痛みが強いために動くことができず、性行為を中断せざるをえない状況になってしまいます。
とくに真性包茎やカントン包茎の場合は、痛みを感じやすく、膣内への射精に至らないこともあるでしょう。
膣内に射精ができないと、妊娠が成立するために必要な受精ができなくなるため、結果的に妊娠しづらくなります。

包皮が邪魔になり膣内に十分射精できない

包茎によって射精が妨げられ、妊娠率が低くなることがあります。
これは、包皮がむけていないことで精液の出口が狭くなることが理由です。
とくに真性包茎では、亀頭まで包皮がおおっているため、ほかの包茎より精液が包皮内に残りやすいです。
そのため、膣内に十分な射精ができず、子宮に届く精子の数が減ってしまう可能性があります。
自然妊娠を望む場合、より多くの精子を子宮に届けるほうが妊娠率が高いと報告された研究もありました。
こうしたことから子宮に届く精子数が少なくなりやすい包茎では、妊娠しにくいといわれています。

包茎のうち妊娠への影響が大きいのは真性包茎

包茎は3種類にわけられ、そのうち妊娠に影響が大きいとされているのは真性包茎です。
真性包茎が妊娠に影響するおもな理由は、以下のとおりです。

  • 十分な精子が子宮に届かない
  • 感染症を引き起こすリスクが高い

この問題を解決するには、包茎手術が効果的です。
また、仮性包茎やカントン包茎が妊娠に無関係というわけではありません。
それぞれ解説していきます。

仮性包茎の妊娠への影響

仮性包茎は、真性包茎と比べて妊娠への影響が少ないと考えられています。
仮性包茎は通常時に包皮がかぶっていても、勃起時には自然もしくは手動で亀頭を露出できます。そのため、射精が包皮に邪魔されることが少ないです。
また、仮性包茎は包皮をむくのに痛みをともないません。
挿入時や挿入後の動きで痛みを感じることがないため、性行為を避けることも少ないでしょう。
ただし、通常時は包皮が亀頭をおおっているため、不衛生な状態による感染症のリスクはあります。
妊娠率を下げないために、陰部の清潔保持を心がけましょう。

カントン包茎の妊娠への影響

カントン包茎は妊娠への影響が少ないとされています。
しかし、性行為時に痛みをともなうことがあるため、性行為のタイミングを逃す可能性があります。
カントン包茎は、包皮がめくれたときに陰茎が強く締め付けられる状態です。
そのため、勃起時に包皮をむくと痛みが生じることがあります。
この痛みが恐怖となって、性行為を避けるようになります。
また、カントン包茎で包皮をむいたまま戻せない状態を放置してしまうと、陰茎の循環が悪くなります。
陰茎の循環が悪くなれば、勃起不全(ED)を引き起こしかねず、妊娠に必要な性行為ができません。
最悪の場合、壊死して陰茎を失うこともあります。
カントン包茎に限らず包茎で悩んでいる場合は、クリニックで悩みについて相談してみてください。

包茎以外で妊娠しにくい男性の3つの特徴

妊娠に関係する要素は包茎だけではありません。
包茎以外の理由で、妊娠しにくいとされる男性の特徴は、以下のとおりです。

  • 勃起や射精ができない
  • 精子の通り道に異常がある
  • 精子の数やはたらきに異常がある

自分にあてはまる特徴がないか、確認してみてください。

勃起や射精ができない(性機能障害)

勃起や射精ができない性機能障害は、不妊の原因になります。
性行為が困難になったり、膣内に射精ができなかったりすることで、精子と卵子の出会う機会が少なくなるためです。
性機能障害には、勃起障害(ED)と射精障害があります。
以下にそれぞれの病態をまとめました。

性機能障害 病態の特徴
勃起障害(ED) ・勃起ができず、性行為がうまくいかない
射精障害 ・精液が膀胱に逆流する(逆行性射精)・精液が出なくなる(無精液症)・早漏、遅漏がある

2015年に報告された調査では、男性不妊症の7.4%を射精障害、6.1%を勃起障害が占めています。参考
性機能障害はおもに以下の原因で引き起こされます。
ストレス
血流障害
神経障害
とくに妊活中の男性は、性行為にプレッシャーを感じやすく、心理的な要因で性機能障害になりやすいです。
このような場合、治療やカウンセリングなどで心理的なストレスを解消する必要があるでしょう。

精子の通り道に異常がある(精路通過障害)

精子の通り道(精管)に異常があると、自然妊娠が難しくなるでしょう。
精管が狭かったり詰まっていたりすると、作られた精子が外に出づらくなり、十分な量の精子が子宮に届きにくくなります。
精路通過障害の原因は、以下のとおりです。

  • 生まれつき
  • 精巣上体炎の既往
  • 子どものころの鼠経(そけい)ヘルニアの手術歴

たとえば、精巣上体炎の既往がある場合、炎症が強くなると精巣上体が数倍にも腫れあがります。
これによって精管がふさがれてしまい、精子が通りにくい精路通過障害となってしまうのです。
精路通過障害は明らかな自覚症状がないため、ほとんどの例で検査を受けてはじめて発覚します。
精路通過障害になると妊娠が難しくなるため、医療機関での治療が必要です。
性行為は問題なくできるのに、なかなか妊娠できない場合は、専門のクリニックを受診してみましょう。

精子の数やはたらきに異常がある(造精機能障害)

精子をつくる能力に異常があると、精子の数が少なくなったり精子の働きが弱まったりするため、男性不妊の原因となります。
造精機能障害を症状によって以下に分類しました。

造精機能障害 症状
精子無力症 精子の働きが弱い
無精子症 精液のなかに精子がない
乏精子症 精子の数が圧倒的に少ない

造精機能障害は、男性の不妊原因の8割以上を占めています。
日常の生活習慣が原因とも考えられていますが、多くの場合で原因不明です。
造精機能障害が疑われる場合、専門の医療機関で内服や手術などの治療を受けるのが一般的です。

妊娠率を高めるために包茎の男性ができる3つのこと

妊娠率を高めるために包茎の男性ができることとして、以下があげられます。

  • 陰部の清潔を保つ
  • 包茎手術を受ける
  • 性行為以外で妊娠できる手段を検討する

くわしく説明します。

陰部の清潔を保つ

日常的に陰部をしっかりと洗浄して清潔を保ちましょう。
真性包茎や仮性包茎では、包皮が亀頭をおおっている状態なので、菌が増えやすいです。
その菌がパートナーの膣内で感染症を引き起こした場合、妊娠しにくくなってしまいます。
包茎の方が陰部の清潔を保つためには、できるだけ亀頭を露出させ、石けんを使用して洗浄します。
日常的におこなうことで菌の繁殖を防ぎ、感染症を引き起こすリスクを下げられるでしょう。

包茎手術を受ける

包茎手術を受けることで、妊娠の可能性が高まる場合があります。
その理由は以下のとおりです。

  • 射精の妨げがなくなる
  • 感染症を引き起こすリスクが下がる
  • 性行為時の痛みがなくなる
  • 性行為に積極的になれる

包茎手術は、包茎による妊娠のネガティブな要因を解決してくれます。
性行為の快適さが増してパートナーとの関係性が改善し、性行為の頻度も増えるでしょう。
包茎手術は妊活によい効果をもたらす可能性が高いです。妊活の選択肢のひとつとして、包茎手術を検討してみてください。

性行為以外で妊娠できる手段を検討する

性行為による妊娠が困難な場合、性行為以外の方法を利用することで妊娠の可能性を高めることが期待できます。
たとえば、シリンジ法は安価で手軽におこなえる妊活方法のひとつです。
シリンジ法とは、自宅で男性がマスターベーションで採取した精液を、針のない注射器のようなもの(シリンジ)を使って、女性が自分で腟内に注入する方法です。
シリンジ法は痛みもなく、男性が不妊治療の適応である必要もありません。
挿入時の痛みや膣内への射精困難がある包茎の男性でも、自慰行為ができるならシリンジ法を利用できます。
ある研究では144人中58人の女性がシリンジ法で妊娠に成功し、妊娠率は40.3%でした。
また、人工授精も性行為以外で妊娠できる方法のひとつです。
人工授精は医療機関でおこなう不妊治療で、かぎりなく自然に近い妊娠が期待できるでしょう。
洗浄および濃縮した男性の精子を、排卵のタイミングで子宮内に専用カテーテルで注入し、受精を促します。
シリンジ法と同様に、包茎の男性でも自慰行為が可能であれば人工授精ができます。
このように、シリンジ法や人工授精などの性行為以外の妊娠手段をとることが、妊娠率を上げる方法であることは認識しておきましょう。

包茎と妊娠の関係性についてのよくある質問

陰茎が短いと妊娠しにくいですか?

陰茎の長さが妊娠に直接的な影響を与えるわけではありません。

ただ、陰茎が短いと男性の自信が失われて勃起障害となったり、パートナーとの性行為の回数が減ったりする可能性があります。
性行為の回数が少なくなると、間接的に妊娠する機会が減ってしまうため、悪影響を及ぼす可能性もでてきます。

陰茎の短さが気になる場合は、長茎術によって対策してみるのも一つの手でしょう。

妊娠を希望する場合の包茎手術のタイミングは?

妊娠を希望する男性は、包茎手術をなるべく早めに受けることを推奨します。

その理由として以下があげられます。

回復期間が予想以上に長引く
回復期間中は性行為ができない
術後のトラブルが生じる可能性がある

一般的に、包茎手術をすると最低1か月間は性行為や自慰行為を控える必要があります。

術後にトラブルが発生した場合、1か月以上の安静期間は避けられないでしょう。

妊娠のタイミングは限られているため、回復期間が長くなると妊娠の機会を大きく減らす可能性があります。

妊娠を希望する場合は、手術と回復にかかる時間を考慮し、早めに妊娠計画を立てましょう。

包茎手術以外で妊娠率アップのために包茎の男性ができることは?

妊娠率を高めるために、手術以外の方法で包茎の男性ができることは以下のとおりです。

禁煙する
食生活を改善する
適度な運動をする
十分な睡眠をとる
ストレス発散方法をみつける
アルコールのとりすぎを控える
性行為前に陰部をきれいに洗う
サプリメント(亜鉛やビタミンCなど)の摂取を検討する

これらの方法によって精子の量や質を向上させたり、感染症のリスクを減らしたりすることで、妊娠の可能性を高められます。

パートナーと相談しながら、二人三脚で健康的な生活習慣を築いてみてください。

まとめ

この記事では、包茎と妊娠率の関係について解説しました。

  • 【この記事のまとめ】

  • 包茎は妊娠率を下げる間接的な要因となるくい状況を作ってしまう
  • 包茎のなかでもとくに真性包茎は妊娠に影響がある
  • 男性の包茎以外の不妊原因は、造精機能障害や精路通過障害などがある
  • 陰部の清潔を保つことや包茎手術を受けることで、妊娠する確率を高められる

包茎の男性が妊娠率を上げるためにはいくつか方法がありますが、包茎手術は包茎を改善しつつ、妊娠の確率を高められるでしょう。
また、性行為が快適になるため、パートナーとの関係性も良好になる可能性が高まります。
ただし、包茎手術後の回復状態は、個人で異なります。
妊娠を考えている方は、手術や回復期間を考えて、早めに受けるのが良いでしょう。
包茎手術について、くわしく知りたい方や手術を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。