ケトコナゾールとは?効能や副作用、AGAとの関係性を解説

【この記事でわかること】
- ケトコナゾール(ニゾラール)とは
- ケトコナゾールの効能
- ケトコナゾールの種類と使い方
- ケトコナゾールの副作用
- ケトコナゾールを使ってはいけない人
- ケトコナゾール以外のAGA治療薬
- ケトコナゾールの3つの注意点
- ケトコナゾールに関するよくある質問
ケトコナゾールの特徴を理解し、安全に活用するための参考になれば幸いです。
ケトコナゾール(ニゾラール)とは
ケトコナゾール(ニゾラール)とは、真菌(カビ)の増殖を抑制する「抗真菌薬」です。
真菌によって引き起こされる「白癬(はくせん)」「皮膚カンジダ症」などの、皮膚に関連する感染症に効果が見込めます。
加えて、ケトコナゾールは抗真菌薬として使用されてきましたが、AGAの治療にも用いられるようになりました。
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では、有用性を検証した結果「ケトコナゾールの外用を行ってもよい」と判断されました。
ケトコナゾールの種類にはクリームやローション、シャンプーがあるため、症状や使用する患部によって使い分けましょう。
ケトコナゾールの効能
ケトコナゾールの効能は、主に4つあります。
- 白癬(はくせん)
- 皮膚カンジダ症
- AGA(男性型脱毛症)
- 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
ケトコナゾールの使用を迷っている方は、参考にしてみてください。
白癬(はくせん)
ケトコナゾールは、白癬(はくせん)の治療に効果が期待できます。
白癬は、白癬と呼ばれる真菌が原因となり発症する疾患です。頭から手足、つま先まで体のどの部位にも感染します。
感染部位ごとの呼び名は、以下のとおりです。
- 足:足白癬(水虫)
- 体:ぜにたむし
- 股:いんきんたむし
- 頭:しらくも
白癬菌は感染者の皮膚に含まれる角質を介して、別の部位や別の人にもうつります。感染部位・感染者が増えないように、早期の治療を心がけましょう。
足や爪にできた白癬は「クリームまたは軟膏」のケトコナゾールを使用するのが一般的です。また、クリームタイプは多少のべたつきがあるため、頭部には伸びのよい「ローション」タイプが処方される傾向にあります。
皮膚カンジダ症
ケトコナゾールで治療できる疾患として、皮膚カンジダ症が挙げられます。
皮膚カンジダ症は、カビの一種である「カンジダ菌」によって起こる感染症です。
カンジダ症の種類には、舌や口蓋に生じる「口腔カンジダ症」や、爪に異変がみられる「爪カンジダ症」などがあります。
赤ちゃんから高齢者まで幅広い年代で、皮膚カンジダ症の感染者がみられます。男女どちらもかかる病気ですが、全体的に女性のほうが感染しやすいと考えられています。
なお、白癬と皮膚カンジダ症はどちらも、水ぶくれや赤みなどの症状が特徴的です。目視では、両者の見分けが難しいケースもあります。
その場合は、感染部位を一部採取し、顕微鏡で原因菌を観察して病名を診断します。
AGA(男性型脱毛症)
ケトコナゾールで菌を抑制し頭皮を清潔にすると、AGA(男性型脱毛症)の症状改善につながります。
たとえば、2%のケトコナゾールを含むローションを10〜12ヶ月使用すると、6名のAGA患者の中で2名に明らかな発毛がみられました。
そのほか、ケトコナゾールと脱毛症にまつわるデータは、以下のとおりです。
【2%のケトコナゾールを含むローションを外用した研究】
〇前提 ・17名のAGA患者を対象とする ・観察期間は6ヶ月間 ・皮膚科医による改善度評価 〇投与前 ・高度なAGA:10例 ・中等度なAGA:7例 〇投与後 ・高度なAGA:1例 ・中等度なAGA:12例 ・軽度なAGA:4例 |
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)の治療には、ケトコナゾールを用います。
皮膚に常在する「マラセチア」という真菌が過剰に繁殖すると、炎症が生じて「脂漏性皮膚炎」が引き起こされます。
マラセチアは皮脂を栄養とするため、頭や顔などの皮脂の分泌が盛んな箇所にできやすいです。
ケトコナゾールを使用した脂漏性皮膚炎の治療結果は、以下のとおりです。
【2%のケトコナゾールを含むクリームを外用した研究】
・1日2回患部にケトコナゾールを塗布する ・改善率は約86% →治癒:4例、著名改善:1例、改善:1例、不変:1例 |
また、ケトコナゾールは脂漏性皮膚炎以外にも、マラセチアの増殖を原因とする「癜風(でんぷう)」や「マラセチア毛包炎」にも効果的と考えられています。
ケトコナゾールの種類と使い方【クリーム・ローション・シャンプー】
ケトコナゾールの種類ごとに、特徴や使い方を表にまとめました。
特徴 | 使用部位 | 使用方法 | |
クリーム、軟膏 | 刺激は弱いがべたつきやすい | 手足や顔など | 患部に1日数回直接塗る |
ローション | さらさらとして毛のある部分に向いている | 頭部 | 患部に1日数回直接塗る |
シャンプー | フケやかゆみに効果が見込める | 頭部 | シャンプーをして数分放置し、よく洗い流す |
クリームや軟膏、ローションタイプは1日に数回患部に塗り込みます。なお、こまかな用法用量は担当医の指示にしたがってください。
頭部の治療には、シャンプータイプを用いる選択肢もあります。市販のシャンプーよりも洗浄力が高いため、洗った後のすすぎは念入りにおこないましょう。
ケトコナゾールの副作用
ケトコナゾールの副作用は、以下のとおりです。
- 発疹
- 赤み
- 刺激感
- かゆみ
- ひび割れ
- 水ぶくれ
- 接触皮膚炎
- 皮膚のはがれ
- 皮膚のべたつき感
- 蕁麻疹(じんましん)
副作用の有無や程度には個人差があります。ケトコナゾールで副作用が起きた際は、速やかにクリニックに相談しましょう。
なお、日本ではケトコナゾールの内服薬は承認されていません。なぜなら、内服した場合は肝障害のリスクが高まるためです。
ケトコナゾールを使ってはいけない人
以下に該当する人は、ケトコナゾールの使用を控えてください。
- 妊娠中の人
- 授乳中の人
- 副作用がみられた人
妊娠中・授乳中の人がケトコナゾールを使用すると、胎児に悪影響を与える恐れがあります。
動物実験では、ケトコナゾールの影響による胎児の死亡や奇形、胎子発育遅延などが報告されています。
クリニックを受診する際は、妊娠中・授乳中である旨を医師に必ず伝えましょう。「妊娠しているかもしれない」という状態でも、担当医に妊娠の可能性を共有する必要があります。
ケトコナゾール以外のAGA治療薬
ケトコナゾール以外のAGA治療薬を、以下にまとめました。
AGA治療薬 | 特徴 |
フィナステリド内服薬 | ・「5αリダクターゼ」の働きを阻害し髪の毛の成長を促進
・20歳以上の男性に効果がみられる治療薬 ・女性型脱毛症には非推奨 |
デュタステリド内服薬 | ・フィナステリドと同様の仕組み
・フィナステリドよりも多少優位な症状改善 ・性機能にまつわる副作用が起きる可能性 |
ミノキシジル外用薬 | ・男性、女性ともに有用なAGA治療薬
・メカニズムは明確ではない ・毛が濃くなる作用が確認 |
これらの薬を用いた方法のほかにも、自身の毛皮を採取して移植する「自毛植毛」も治療法として挙げられます。
各治療法にメリット・デメリットがあるため、注意点を理解した上でどの方法をおこなうかを検討しましょう。
ケトコナゾールの3つの注意点
ケトコナゾールの注意点を3つ紹介します。
- 市販薬は販売されていない
- 副作用が起こる可能性がある
- 「発毛」ではなく「抜け毛を減らす」ために使用される
一つずつみていきます。
市販薬は販売されていない
ケトコナゾールは医療用医薬品のため、同成分の薬は薬局やドラッグストアなどで市販されていません。
そのため、ケトコナゾールを使用したい場合は、皮膚科またはAGAクリニックで薬を処方してもらう必要があります。
皮膚科は、皮膚にまつわる全般的な疾患を治療可能です。対して、AGAを専門としたクリニックは、薄毛・脱毛治療の選択肢が広い点が特徴です。
副作用が起こる可能性がある
ケトコナゾールは副作用が起こる可能性があります。
ケトコナゾールの使用を開始してから、赤みやかゆみ、水ぶくれなどの症状がみられた場合は薬の使用を中止してください。
その後、医師の診断を受けて、ケトコナゾール以外の治療法を検討しましょう。
ケトコナゾールの使用を開始してから、赤みやかゆみ、水ぶくれなどの症状がみられた場合は薬の使用を中止してください。
その後、医師の診断を受けて、ケトコナゾール以外の治療法を検討しましょう。
「発毛」ではなく「抜け毛を減らす」ために使用される
ケトコナゾールは「発毛」ではなく「抜け毛を減らす」目的で用います。
日本では、ケトコナゾールは育毛剤として認可されていません。
そもそも、真菌が原因で抜け毛が増えるのは、以下のような仕組みです。
- 頭皮で真菌が増殖する
- 頭皮に炎症やべたつきが生じる
- 頭皮環境が悪くなる
- 毛の成長が妨げられる
- 抜け毛が増えやすくなる
- 保湿剤
- ケトコナゾール(外用剤)
- 日焼け止め
- 化粧品
- 虫除け薬
- ケトコナゾールは抗真菌薬で、白癬や皮膚カンジダ症、AGA、脂漏性皮膚炎の治療に用いられる
- ケトコナゾールの種類にはクリームやローション、シャンプーがある
- ケトコナゾールは発疹やかゆみなどの副作用が生じる可能性がある
- 妊娠中・授乳中はケトコナゾールの使用を控える
- ケトコナゾールは医療用医薬品のため市販されていない
- ケトコナゾールは「発毛」ではなく「抜け毛を減らす」目的で使用する
- ケトコナゾールで症状が悪化したり、副作用がみられたりした際は速やかにクリニックに相談する
ケトコナゾールは真菌を抑制して頭皮環境をよくするため、薄毛の改善が見込めます。「薬を使う=毛が生える」わけではない点に注意してください。
ケトコナゾールに関するよくある質問
ケトコナゾールに関するよくある質問を紹介します。
ケトコナゾールはニキビに効果がありますか?
「ケトコナゾールがニキビに有効」という説はありますが、明確なデータは示されていません。
なお、ケトコナゾールは真菌の一種である「マラセチア」を抑制するため、マラセチア毛皮炎には改善効果が期待できます。
マラセチア毛皮炎とニキビは、どちらも赤みのある発疹ができます。しかし、ニキビはアクネ菌の増殖を原因とする疾患です。
両者は原因となる菌が異なるため、混同しないように気を付けましょう。
ケトコナゾールとスキンケア用品はどのような順番で塗りますか?
ケトコナゾールとスキンケア用品を塗る順番は、以下のとおりです。
基本的には、塗布する面積の広いものから先に塗っていきます。化粧品は患部をふさいでしまうため、外用剤を先に付けます。
ただし、処方箋や医師の指示により、塗る順番が指定されている際は、そちらを優先してください。
ケトコナゾールで効果がみられない・症状が悪化した場合はどうすればよいですか?
ケトコナゾールで症状が悪化した場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
また、治療をつづけても効果がみられないときは、担当医と相談しながらほかの治療法を検討してみてください。
注意点として、ケトコナゾールは塗布してから、効果が実感できるまでに時間を要します。症状や体質により差はありますが、効果を得るには最低でも、2〜3週間程度は継続して使用する必要があります。
まとめ
この記事では、ケトコナゾールの効能や副作用、AGAとの関係について解説しました。
【この記事のまとめ】
ケトコナゾールは副作用が起こる可能性があります。
ケトコナゾールは頭皮環境を整え、抜け毛を減らす効果が見込めます。薬局やドラッグストアなどで市販されていないため、ケトコナゾールがほしい方は皮膚科またはAGAクリニックを受診しましょう。