壮年性脱毛症の原因とは|治療法や自信を取り戻す方法を解説

壮年性脱毛症
年齢を重ねるにつれて「最近、髪が薄くなってきた気がする」「地肌が目立ち、外見が気になる」などと感じていませんか。これらの悩みを抱く40代や50代の男性は少なくありません。見た目の変化によって自信をなくしたり、症状の進行に不安を抱いたりするでしょう。薄毛を改善するには、原因や治療法について正しい知識を身につけ、行動へ移すことが重要です。

【この記事でわかること】

  • 壮年性脱毛症のメカニズム
  • 壮年性脱毛症の治療法
  • 壮年性脱毛症の予防方法
  • 日常生活で取り組める対策

この記事が正しい知識を身につけ、若々しさを取り戻すための第一歩となれば幸いです。

壮年性脱毛症とは

「壮年性脱毛症」とは、30代~50代で発症する進行性の脱毛症で、AGA(男性型脱毛症)に含まれます。

額の生え際や頭頂部の髪が徐々に細く短くなり、しだいに薄毛が目立つようになります。

ただ、側頭部や後頭部の下までは広がらないのが、ひとつの特徴です。

日本人男性におけるAGAの発症頻度は、30代で約20%、40代で約30%、50代以降で約40%と、年齢とともに高くなる傾向にあります。

壮年性脱毛症の診断は、視診、問診、家族歴、経過などにより、総合的におこなわれます。

壮年性脱毛症の原因とメカニズム

壮年性脱毛症は、毛周期の乱れが原因で生じます。

毛周期とは、毛髪が成長し抜け落ち、再度成長していく一連のサイクルのことです。毛髪には1本ずつに寿命があり、一定の周期により生え変わります。

毛周期は「成長期」「退行期」「休止期」の3つからなります。毛周期には個人差がありますが、一般的なサイクルは以下のとおりです。

サイクル 特徴 期間
成長期 新しい毛髪が生えて成長する期間 3年~6年間(毛周期のうちの約85%)
退行期 毛髪の成長が止まり、抜け落ちる期間 2週間~3週間(約1~2%)
休止期 毛髪が脱落してから新たな毛が成長し始めるまでの準備期間 2ヶ月~3ヶ月間(約15%)

 

しかし、壮年性脱毛症の場合は、毛髪の成長に重要な「成長期」が1年〜数ヶ月ほどに短縮され、毛周期自体も通常と比べて極端に短くなります。

結果として、十分成長しきる前に毛髪が抜けるため、毛量のボリュームが減少してしまうのです。

また、壮年性脱毛症の発症には、以下の要因も関与していると考えられています。

  • 遺伝
  • ホルモンによる影響
  • 生活習慣やストレスによる影響

ひとつずつ解説します。

遺伝

壮年性脱毛症は、遺伝の影響を受けることが明らかになっています。

家族に薄毛の方がいる場合は、壮年性脱毛症になる可能性が高いといえるでしょう。

ホルモンによる影響

毛髪の成長期の短縮は、男性ホルモンである「テストステロン」が「5αリダクターゼ」という酵素により「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換されることで生じます。

DHTには髪の毛を細く薄くする作用があるため、この変換が壮年性脱毛症の進行に影響するのです。

生活習慣やストレスによる影響

不規則な生活習慣や慢性的なストレスも、壮年性脱毛症を引き起こす要因です。

  • 睡眠不足
  • 運動不足
  • 偏った食生活
  • 頭皮のケア不足
  • 長時間の紫外線暴露

これらの習慣がある方は、毛髪や頭皮に悪影響が及んでいる可能性があります。

壮年性脱毛症のセルフチェック

壮年性脱毛症のセルフチェック項目は、以下のとおりです。

  • 髪が細くなった
  • 抜け毛に毛根がない
  • 頭頂部の地肌が目立つ
  • 髪のボリュームが減った
  • 髪の生え際が後退してきた
  • 抜け毛の本数が増えた
  • 額が広くなったように感じる
  • 家族や親戚に薄毛の方がいる

当てはまる項目が多いほど、壮年性脱毛症である可能性が高いといえます。

自分がどの程度あてはまっているか確認し、壮年性脱毛症かどうかの判断基準としてみてください。

壮年性脱毛症の3つの治療法

壮年性脱毛症の主な治療法は、以下の3つです。

  • 薬物治療
  • 植毛手術
  • メソセラピー

それぞれ解説します。

薬物治療

壮年性脱毛症の薬物治療には、内服薬と外用薬があります。

一般的に、内服薬では「フィナステリド」「デュタステリド」が使われ、外用薬では「ミノキシジル」が選択されます。

それぞれの効果は、以下のとおりです。

フィナステリド(内服薬) テストステロンがDHTに変換されるのを防ぎ、脱毛の進行を遅らせる
デュタステリド(内服薬) テストステロンがDHTに変換されるのを強力に抑制し、脱毛の進行を遅らせる
ミノキシジル(外用薬) 血管拡張作用により毛根への血流を改善し、発毛を促進する

これらの薬物は即効性が得られる薬物ではなく、効果が出るまでには数ヶ月を要するとされています。治療の継続が、症状改善のカギとなるでしょう。

植毛手術

植毛手術は、薄毛の部分に髪を移植する治療法です。使用する毛髪により、以下の2種類に分類されます。

  • 自家植毛:自分自身の髪を移植する
  • 人工植毛:合成繊維からできた人工毛を移植する

いずれも自然な仕上がりが期待できますが、費用は薬物治療より高額である場合が多く、術後のケアや通院が必要です。

また、頭皮に定着しなかったり、抜け落ちてしまったりと副作用もあるため、事前に確認しておきましょう。

メソセラピー

メソセラピーは、注射やレーザーなどを用いて、薄毛が気になる部分に有効成分を直接注入する治療法です。

発毛や育毛に効果的な成分を患部に注入するため、薬物療法よりも短期間で効果が期待できるでしょう。

費用は、薬物治療よりも高額になるケースが一般的です。

壮年性脱毛症を予防する5つの方法

壮年性脱毛症は、以下の生活習慣の改善によって進行を遅らせたり、症状を改善できたりする可能性があります。

  • 睡眠の確保
  • 適度な運動
  • 紫外線対策
  • ストレス対策
  • 適切なヘアケア
  • 頭皮によい栄養素の摂取

それぞれ見ていきましょう。

睡眠の確保

毛髪の回復や修繕は、睡眠中に分泌される成長ホルモンによっておこなわれます。よって、壮年性脱毛症の改善には十分な睡眠時間を確保し、成長ホルモンを分泌させるのが重要です。成長ホルモンの分泌は、とくに「ノンレム睡眠」とよばれる深い眠りの間に盛んになります。

眠りの質を高めるためには、以下の3つの要素が重要です。

  • 日中は日光に当たる
  • 就寝の1時間~2時間前に入浴する
  • 就寝前のスマホやテレビ視聴を控える

夜更かしを避け、規則正しい生活を心がけましょう。

適度な運動

毛髪の状態を整えるために必要な成長ホルモンは、運動中にも分泌されます。運動には以下の作用があり、壮年性脱毛症の改善によい影響を与えます。

  • 血行を促進し、頭皮の血流を改善する
  • 睡眠の質を高め、成長ホルモンの分泌を助ける

時間の確保が難しい場合は「通勤時に一駅分多く歩く」「階段を使用する」など、日常生活に取り入れやすい運動から始めるとよいでしょう。

紫外線対策

紫外線は頭皮にダメージを与えるため、帽子や日焼け止めによる頭部の保護は大切です。

とくに、夏場の強い日差しの下では、紫外線により頭皮が乾燥しやすくなり、抜け毛の原因となり得ます。

帽子は通気性のよいものを選び、頭皮が蒸れないようにするのもポイントです。

ストレス対策

ストレスも、脱毛を進行させる要因のひとつです。

リラクゼーション、趣味、娯楽などを取り入れ、自分に合った方法でストレス発散を心がけましょう。

適切なヘアケア

健康な髪を育てるには、日々の適切なヘアケアが欠かせません。頭皮の清潔を保つために、シャンプーを十分に泡立て、皮脂汚れを取り除きましょう。

また、頭皮マッサージは頭皮の血流の改善が期待できる簡単なケアとして効果的でしょう。

頭皮マッサージをおこなう際には、洗髪の際に指を使って頭皮を「押す」「揉む」「こする」を意識するのがポイントです。

頭皮によい栄養素の摂取

髪の健康に必要な栄養素をバランスよく摂取しましょう。以下の4つの栄養素は、毛髪の成長のために欠かせません。

栄養素 含む食べ物の例
亜鉛 ・牛肉

・ナッツ

・スイートコーンなど

鉄分 ・レバー

・赤身肉

・ひじき

・ほうれん草など

たんぱく質 ・肉類

・魚類

・豆・豆製品

・卵

・乳製品など

ビオチン(ビタミンB7) ・ナッツ

・卵黄

・アボカド

・レバーなど

これらの栄養素を効率的に摂取できるメニューの例には「アボカド納豆丼」「ツナとほうれん草の和え物」などがあります。

短時間で簡単に作れるため、忙しい方や料理に慣れていない方にもおすすめです。

壮年性脱毛症の方が家庭や職場での印象をよくする方法

壮年性脱毛症では自分の意志と反して髪の毛が抜けていくため、周囲の目が気になり、自分に自信をもてなくなりやすいです。

ただ、家族の理解を得てサポートを受けたり、職場で清潔感のある身だしなみを心がけたりすれば、より快適に毎日を過ごせるようになるでしょう。

具体的な方法を、順番に説明します。

家庭内でサポートを得る方法

家庭内でサポートを得るには、壮年性脱毛症について家族やパートナーにも正しく理解してもらいましょう。

身近な方のサポートは、ストレスの軽減や治療の継続に欠かせません。

  • 髪の毛が抜けていること
  • 壮年性脱毛症かもしれないこと
  • 生活習慣の改善で治る可能性があること

など些細なことから悩みを打ち明けてみてください。

本人が深刻に悩んでいることが伝われば、協力を得られやすくなるでしょう。

職場で清潔感を保つ方法

清潔感を保つには、薄毛が目立たないヘアスタイルを選んだり、整髪料で髪にボリュームを持たせたりしてみてください。

たとえば、トップの毛に段を入れてボリューム感を演出するスタイルや、前髪を立ち上げて生え際をカモフラージュするスタイルなどがあります。

どのスタイルが自分に合うかは、美容師の方に相談してみるとよいでしょう。

また、清潔感を保つためには、髪だけでなく身だしなみ全体を整えるのが大切です。服のシワ、靴の汚れ、髭の剃り忘れなどがないよう注意しましょう。

壮年性脱毛症のよくある質問

壮年性脱毛症に関するよくある以下の質問にお答えします。

壮年性脱毛症は治りますか?

壮年性脱毛症は、適切な治療により症状の進行を抑えたり、発毛を促したりできます。

 

早い段階で治療をはじめると、よりよい結果が期待できるでしょう。まずは専門医に相談し、自分に合った治療プランを見つけることが大切です。

壮年性脱毛症は何歳から発症しますか?

「壮年性脱毛症」は広い意味では「AGA」に含まれ、発症するのは主に30代〜50代頃です。

 

一方「AGA」という言葉は、20代後半から30代にかけて薄毛が顕著となる脱毛症をさす、より広義の概念です。AGAは、遺伝的要因や生活習慣の影響によって、20代から症状が現れることもあります。

 

家族に同じ症状をもつ方がいる場合は、早めの対策が重要です。薄毛が気になり始めたら、治療を検討するタイミングでしょう。

壮年性脱毛症は何科を受診すればよいですか?

壮年性脱毛症はAGAの一種であるため、治療にはAGAクリニックや皮膚科を受診するのが一般的です。

 

アクセスのよい病院を選ぶのが、治療を継続するひとつのポイントです。なかにはオンライン診療に対応しているクリニックもあり、時間の確保が難しい人でも専門的な治療が受けられます。

薬物治療を中断したら、症状は戻ってしまいますか?

治療を中断すると薬の効果は消失し、徐々に元の状態に戻る可能性があります。薬物治療の効果を維持するには、継続的な服用が大切です。

 

万が一薬物治療による副作用が生じた場合は、一度使用を中止し、医師へ相談しましょう。「早く効果を得たい」と無理して継続するのは危険です。

まとめ

この記事では、壮年性脱毛症のメカニズムや治療法、予防方法などを解説しました。

【この記事のまとめ】

  • 壮年性脱毛症は30代~50代頃にみられる脱毛症のこと
  • 壮年性脱毛症の発症には、毛周期の乱れや生活習慣が関わっている
  • 壮年性脱毛症は、適切な治療と生活習慣の見直しによって改善する可能性がある
  • コンプレックスの解消には、身近な人の理解とサポート、ヘアスタイルの改善が効果的である

多くの人が抱える悩みである「壮年性脱毛症」は、適切な治療や生活習慣の改善によって、進行を抑えられます。

この記事で紹介したセルフチェックや予防方法を実践し、自分に合った治療法を見つけ、自信と若々しさを取り戻しましょう。