ミノキシジル塗り薬とは|内服薬との違いや使い方についても解説

【この記事でわかること】
- ミノキシジル塗り薬の効果
- ミノキシジル塗り薬の注意点
- ミノキシジル塗り薬の正しい使い方
- ミノキシジル塗り薬の効果を高める方法
ミノキシジル塗り薬について正しい知識をつけ、不安や疑問を解消するためのきっかけになれば幸いです。
ミノキシジルは塗り薬が推奨されている【効果とメカニズム】
ミノキシジルの塗り薬は、AGA(男性型脱毛症)治療に効果がある外用薬として、国内で認可されている薬剤です。
メカニズムについてまだ完全に解明されていない部分がありますが、ミノキシジル塗り薬がAGAに対して確かな治療効果があることは明らかになっています。
そのため、AGA治療ガイドラインにおいても強く推奨されています。
AGAは、男性ホルモンや遺伝的要素によって毛周期(ヘアサイクル)が乱れる疾患です。
毛周期には「成長期」「退行期」「休止期」があり、毛包の太さや長さは「成長期」の長さに比例するとされます。よって「成長期」は発毛や育毛のために重要な期間だといえます。
ミノキシジルは「成長期」を十分に確保し育毛や発毛を促すのです。
ミノキシジル塗り薬の作用と副作用
続いて、ミノキシジル塗り薬の作用と副作用について解説します。
- 作用
- 副作用
それぞれみていきます。
作用
ミノキシジル塗り薬の作用は、以下の2つです。
- 脱毛の予防
- 育毛・発毛
ミノキシジルを頭皮に直接塗布することで局所の血流を改善させ、脱毛の予防、育毛、発毛が期待できます。
副作用
効果が期待できる一方、ミノキシジル塗り薬には以下の副作用が起こる可能性もあります。
副作用が出る部位 | 症状 |
頭皮 | ・ふけ
・かゆみ ・かぶれ ・接触皮膚炎 ・使用部位の熱感 |
精神神経系 | ・頭痛
・気が遠くなる ・めまい |
循環器 | ・胸の痛み
・心拍が速くなる |
代謝系 | ・原因のわからない急激な体重増加
・手足のむくみ |
ミノキシジルによる治療を開始してから上記のような症状が現れた場合は、使用を中止し、医師または薬剤師に相談する必要があります。
また、ミノキシジル使用開始後は、一時的に抜け毛が増える場合があります。これは「初期脱毛」とよばれ、新しい毛髪が生えてくるために、古い毛が抜ける現象のことです。
抜け毛が続く期間には個人差がありますが、多くは一時的なものであり、ミノキシジルが効き始めている証拠とも捉えられます。
ミノキシジルの効果を十分に得るには「抜け毛が悪化した」と、使用を中断しないのがポイントです。
ただし、使用開始後数ヶ月経過しても改善しない場合は、初期脱毛でない抜け毛の可能性も考えられます。一度医師へ相談するとよいでしょう。
ミノキシジル塗り薬と飲み薬の違い
ミノキシジルには「塗り薬」と「飲み薬」の2種類があります。
塗り薬はAGA治療ガイドラインにおいて「推奨度A:強くすすめる」であるのに対し、飲み薬は「推奨度D:推奨しない」と、使用がすすめられていません。
ミノキシジルは、本来降圧剤として開発された薬です。そのため、内服によって全身の循環動態に影響が及ぶ可能性があります。危険な副作用を防ぐために、国内ではミノキシジル塗り薬のみが認可されています。
塗り薬は局所的に作用するため、用法・用量を守れば、安全に使用できるでしょう。
また、AGA治療薬として承認されている内服薬には「フィナステリド」と「デュタステリド」があります。
以下に、ミノキシジル塗り薬と「フィナステリド」「デュタステリド」の違いをまとめました。
項目 | ミノキシジル塗り薬 | フィナステリド・デュタステリド |
---|---|---|
分類 | 塗り薬(外用薬) | 飲み薬(内用薬) |
作用機序 | 頭皮の血流を改善し、毛母細胞を活性化する | DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制し、脱毛を防ぐ |
効果 | 発毛を促進し、太く強い髪を育てる | 抜け毛を防ぐ |
副作用 | 局所的
・発疹 ・赤身 ・ふけなど |
全身的
・性機能障害(勃起不全、性欲減退) ・肝機能への影響など |
使用方法 | 1日2回、患部に直接塗布 | 1日1回、医師の指示に従い内服 |
購入方法 | 市販または医師の処方
国内認可あり |
医師の処方が必要
国内認可あり |
コスト感 | 手頃 | やや高め |
ミノキシジル塗り薬とフィナステリドはどちらもAGA治療薬ですが、作用が異なるのがポイントです。
- ミノキシジル塗り薬:発毛を促進する
- フィナステリド:抜け毛の進行を抑制する
実際には、ミノキシジル塗り薬と「フィナステリド」もしくは「デュタステリド」を併用して治療するケースもあります。治療法に迷った場合は、専門の医師への相談をおすすめします。
ミノキシジル塗り薬の効果を高めるポイント
ミノキシジル塗り薬の効果を引き出すには、4つのポイントを意識しましょう。
- 頭皮を清潔にする
- 用法・用量を守る
- 頭皮マッサージをおこなう
- 1~2時間ほど十分に乾燥させる
ひとつずつ解説します。
頭皮を清潔にする
毎日入浴時にシャンプーで頭を洗い、頭皮を清潔に保ちましょう。頭皮を清潔にするのには、以下の4つの目的があります。
- 薬液を十分に浸透させる
- フケや臭いを防ぎ、清潔感を保つ
- かゆみや炎症などの皮膚トラブルを防ぐ
- 毛穴詰まりを防ぎ、新しい髪が生えやすい環境を整える
洗髪の際は、シャンプーを十分に泡立て、指の腹で頭皮を優しくこするように洗浄するのがポイントです。
用法・用量を守る
用法・用量を守るのも、ミノキシジル塗り薬の副作用を防ぐうえで重要です。「多く塗れば効果が高まる」と考える方もいるかもしれません。
しかし、適切な量を超えて使用しても効果は向上せず、副作用のリスクが高まる可能性さえあります。
一般的に、1日に2回、1回あたり1mlの塗布が推奨されています。ただし、製品や医師の指示によって使用回数や量が異なることもあるため、添付文書や医師の指示に従うことが大切です。
塗った後に頭皮マッサージをおこなう
ミノキシジル塗り薬を塗った後に頭皮全体をやさしくマッサージすることで、薬剤の浸透をより高められます。マッサージによって頭皮の血行が促進され、毛根への栄養供給がスムーズになるためです。
頭皮を十分に乾燥させる
ミノキシジル塗り薬の効果を発揮させるには、頭皮を十分乾燥させることが重要です。頭皮が濡れた状態では薬剤が流れ落ち、浸透性の低下や枕や衣類への付着の原因となります。
薬液を塗布したら汗をかかないよう安静に過ごし、頭皮が乾いたことを確認しましょう。
ミノキシジル塗り薬で「効果がない」と感じる要因
ミノキシジル塗り薬を使用しても「効果がない」と感じる場合、以下の要因が関係している可能性があります。
- 使用期間が短い
- 使用方法が誤っている
- 毛周期が影響している
- 生活習慣に問題がある
- 塗布範囲が不十分である
- AGA以外の要因で脱毛が起きている
これらの要因について理解し、適切に対処すれば、ミノキシジル塗り薬の効果を実感できるでしょう。
ひとつずつ解説します。
使用期間が短い
ミノキシジル塗り薬の有効性は、4ヶ月使用後から認められており、効果を維持するには継続して使用することが必要だとされています。
使用開始後4ヶ月経たないうちに「効果が実感できない」と使用を中断したり、一度効果を実感してから「もう治ったから」と使用をやめたりすると、効果が消失します。
添付文書には「少なくとも4ヶ月間、毎日使用する」と表記されているため、効果を実感できなくとも治療を継続するのがポイントです。
効果や副作用について気になることがあれば、専門医に相談しましょう。
自分自身や医師による効果の判定の際に、頭部の状態の経時的変化がわかると判断がスムーズです。定期的に頭部の写真を撮ると、安心でしょう。
使用方法が誤っている
以下の場合、ミノキシジル塗り薬の薬効が期待できない可能性があります。
- 用法・用量を守っていない
- 頭皮ではなく髪に塗布している
- 頭皮が清潔で無い状態で塗布している
ミノキシジルは頭皮の血流を改善させて発毛を助けるため、頭皮に塗らなければ効果がありません。ミノキシジル塗り薬は髪ではなく、頭皮に直接塗るよう意識しましょう。
毛周期の影響で髪が生えてこない
ミノキシジル塗り薬を始めたあとに、初期脱毛が起こることがあります。
初期脱毛の多くは一時的な症状であるため「塗り始めてからかえって抜け毛が増えた」と判断し、使用を中止しないようにしましょう。
生活習慣に問題がある
発毛には、生活習慣も大きく影響します。ミノキシジル塗り薬を使用していても、睡眠不足、ストレスの蓄積、栄養不足などがあると、思うように効果が得られない可能性があります。
生活習慣を見直し、以下の3つはとくに意識するとよいでしょう。
- 睡眠時間を確保する
- バランスのとれた食事を心がける
- ストレス発散を意識し、リラックスできる時間を設ける
基本的な生活習慣を整えることは、AGAの進行の抑制だけでなく、健康にもよい影響を及ぼします。
AGA以外の疾患により脱毛が生じている
ミノキシジルはAGAに対して効果を発揮しますが、円形脱毛症、びまん性脱毛症などのほかの脱毛症への効果は認められていません。
また、膠原病や甲状腺疾患の症状として、脱毛が起きている可能性もあります。
以下の場合は、医師の診察を受けましょう。
- 抜け毛のほかに「発熱」「疲れやすい」などの気になる症状がある
- ミノキシジル塗り薬を開始してから数ヶ月経過しても症状が改善されない
自身で薬の使用の判断を実施するのは危険なため、必ず医師の診察のもと薬を使用するようにしましょう。
ミノキシジル塗り薬の注意点
ミノキシジル塗り薬には、使用できないケースや、購入時に確認すべきポイントがあります。
- ミノキシジル塗り薬を使用できないケース
- 購入時に確認すべきポイント
それぞれ見ていきましょう。
ミノキシジル塗り薬を使用できないケース
以下に該当する方は、ミノキシジル塗り薬の使用について医師の指示が必要です。
使用できない可能性があるため、必ず持病の主治医に確認のうえ、指示のもとに治療法を検討しましょう。
ミノキシジル塗り薬を使用できない可能性がある人 | 理由 |
循環器疾患がある | 高血圧、狭心症、心不全などを悪化させる可能性がある |
肌が弱い・アレルギー体質 | 皮膚刺激作用によって、かゆみ、赤み、かぶれなどのアレルギー反応が起こる可能性がある。 |
近親者に甲状腺機能障害の方がいる | 甲状腺疾患によって脱毛が生じている可能性がある |
20歳未満 | 日本国内での使用経験がない |
ミノキシジルでアレルギーを起こしたことがある | アレルギーの可能性がある |
ミノキシジルは、本来血圧降下薬として開発され、血管拡張作用があります。そのため、高血圧、狭心症など循環器疾患を抱えている方は、使用開始前に必ず主治医へ相談しましょう。
また、ミノキシジル塗り薬の使用中に身体に違和感が生じたり、何らかの体調不良が生じたりした場合は、使用を中止して専門の医師へ相談することが重要です。
購入時に確認すべきポイント
ミノキシジル塗り薬は、医師の診断や処方がなくてもドラッグストアやオンラインショップで手軽に購入できます。しかし、購入時には以下の3つに注意する必要があります。
- 信頼できる販売元を選ぶ
- 薬剤の安全性を確認する
- コストと安全性のバランスを考慮する
ミノキシジルは長期的に使用する必要があるため、費用削減の目的で海外から個人輸入する方もいます。しかし、国内で品質確認されていない薬剤は、期待する効果が得られなかったり、有害な物質が含まれていたりした報告があるためおすすめできません。
国内の医療機関やドラッグストアなどで販売されているミノキシジル塗り薬は、品質や安全性が日本の基準で確認されています。ミノキシジル塗り薬の十分な効果を得るには、日本の安全基準を満たす薬剤を使用しましょう。
ミノキシジル塗り薬に関するよくある質問
ミノキシジル塗り薬に関してよくある質問は、以下のとおりです。
塗り薬のおすすめを教えてください。また塗り薬だけでも治療できますか?
ミノキシジル塗り薬にはさまざまな種類があり、ミノキシジルの濃度や配合成分、香りの有無などが異なるのが特徴です。
市販の薬剤を購入する際は、自分自身の頭皮の状態や悩みを踏まえ、好みの薬剤を選びましょう。
そして、ミノキシジル塗り薬の治療効果は、科学的に認められています。塗り薬だけでもAGAの進行を抑え、発毛を促す効果は期待できます。
ミノキシジル塗り薬は使用を中断すると効果がなくなりますか?
ミノキシジル塗り薬は、使用を中断すると効果が消失することがわかっています。
ミノキシジルは、継続的な使用が重要ですが、使用を中断したい場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。
ミノキシジルを塗った後は普通に生活して大丈夫ですか?
ミノキシジル塗布後すぐに以下のことをすると、薬剤が吸収される前にこすれ、十分な効果が得られなくなる可能性があります。
- すぐに帽子をかぶる
- 通勤や運動などで汗をかく
- ヘアセットやくせなどで局所を頻繁に触る
薬剤が乾くまで頭皮をしっかりと乾燥させ、触らないようにしましょう。
まとめ
この記事では、ミノキシジルの効果や使い方のポイントなどについて解説しました。
【この記事のまとめ】
- ミノキシジル塗り薬はAGAの治療に効果が期待できる外用薬である
- 頭皮に直接塗布することで発毛・育毛が促進される
- 使用する際は、頭皮を清潔に保ち、用法・用量を守ることが重要
- 効果を高めるには、生活習慣の改善や適切な頭皮ケアも欠かせない
- 初期脱毛の多くは一時的なものであるため、治療の継続が重要
- 中断すると元の状態に戻る可能性があるため、最低でも4ヶ月以上継続する
- 副作用がうたがわれる場合、使用を中断し、医師または薬剤師へ相談する
- 海外からの個人輸入は避け、国内の医療機関、ドラッグストア、薬局で購入する
ミノキシジル塗り薬は、AGAへの効果が認められている医薬品です。ミノキシジル塗り薬に関する正しい知識をもとに、薄毛改善の第一歩を踏み出しましょう。