若ハゲの原因と対策、治療法とは？判断基準や目立ちにくい髪型を紹介

この記事を読んで、自分に合った薄毛対策が見つかれば、ハゲを気にせず仕事やプライベートを充実させられるでしょう。

若ハゲの判断基準

「若ハゲ」や「AGA（男性型脱毛症）」の診断には、病院や専門のクリニックでの診察が必要です。

受診する前の判断基準として、まずは以下の項目でセルフチェックをしてみましょう。

普段でも以下のような生活を送っていると、ハゲになる可能性があります。

抜け毛やおでこの広さは気付きやすいですが、他の項目は意識しないとわかりにくいです。

早めに治療をはじめれば若ハゲやAGAの改善が期待できるので、上記の項目に複数当てはまるときは、一度病院やクリニックを受診してみてください。

若ハゲの3つのタイプ

若ハゲには、形ごとに以下の3つのタイプがあります。

ハゲのタイプを知っておけば、自分の症状に合った対策を見つけやすいでしょう。

M字ハゲ

M字ハゲは、おでこの両サイドが広くなり、正面から見ると「アルファベットのM」のような形をしているタイプです。

おでこ全体ではなく、左右に剃り込みが入ったように進行するので、若ハゲに気づきやすいです。

U字ハゲ

U字ハゲは、M字ハゲが進行しておでこ全体が広くなった状態です。

正面から見ると頭頂部にかけて湾曲した「アルファベットのU」のような形をしているので、M字ハゲよりも薄毛が目立ちやすくなります。

薄毛の進行を評価する「ハミルトン・ ノーウッド分類」ではⅣ〜Ⅴ以上に該当し、AGAが末期まで進行している状態です。

O字ハゲ

O字ハゲは、つむじ（頭頂部）の髪の毛が少なくなった状態です。

上から見ると「アルファベットのO」のような形で、つむじ周りの地肌が目立ちます。

頭のてっぺんの症状なので、M字ハゲやU字ハゲより自分では気づきにくいです。

しかし、進行すると周りには薄毛に気づかれるかもしれません。

若ハゲの5つの原因

若ハゲのおもな原因として、以下の5つが挙げられます。

それぞれ見ていきましょう。

男性ホルモン

若ハゲやAGAを引き起こす原因として、男性ホルモン（テストステロン）が挙げられます。

テストステロンがハゲを引き起こす流れは、以下のとおりです。

1. テストステロンが頭皮に存在する酵素「5α-リダクターゼ」と結合する
2. ジヒドロテストステロン（DHT）と呼ばれるホルモンが作られる
3. 頭皮の「毛乳頭細胞」に存在する「アンドロゲンレセプター」がDHTに反応する
4. 髪の毛への栄養供給を抑制する「TGF-β1」が作られ、髪が成長しにくくなる
5. 頭皮の脱毛を引き起こす

つまり、テストステロン自体がハゲを引き起こすのではありません。

頭皮に存在する細胞「5α-リダクターゼ」がテストステロンに反応しやすくなると、ハゲを引き起こすと考えられています。

遺伝

若ハゲの体質は、遺伝すると考えられています。

ハゲに関する要素のうち、遺伝の可能性がある要素を以下の表にまとめました。

遺伝によって若ハゲになっている場合、自力で薄毛を改善するのは難しいです。

AGA治療を行っている病院やクリニックでは、遺伝子検査で「薄毛の体質であるか」を調べられます。

自分にとって最適な治療法を見つけやすくなるので、親族に薄毛が多い方は、検査を検討してみてください。

飲酒や喫煙

飲酒や喫煙の習慣は、ハゲを引き起こす可能性があります。

全身の血流が悪化し、髪の毛に栄養を送りにくくなるからです。

それぞれのメカニズムは、以下のとおりです。

事実として、喫煙者の方がAGAを発症しやすいとの研究報告もあります。

また、過度な飲酒はジヒドロステロン（DHT）の生成につながるので、薄毛に悩んでいるときは飲酒や喫煙を控えるのが無難でしょう。

生活習慣の乱れ

睡眠不足や栄養バランスの偏りなど、生活習慣が乱れているとハゲる可能性があります。

たとえば、髪の毛の成長に必要な栄養を食事で摂取できないと、髪の毛は十分に成長できません。

また、成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるので、睡眠時間が短いと髪を成長させるホルモンが不足する可能性があります。

過度なストレス

ストレスもハゲの原因になる可能性があります。

過度なストレスが、自律神経（全身状態を調節する神経）を乱すからです。

自律神経のバランスが崩れ、交感神経（緊張を引き起こす神経）が働きすぎると血管が狭くなるので、全身や頭皮への血流が悪くなります。

日本臨床皮膚科学会は「ストレスが円形脱毛症を引き起こす」と指摘しており、薄毛とストレスには繋がりがあると考えられます。

仕事や普段の生活で常にストレスを感じているときは、趣味や運動などでのリフレッシュが必要になるでしょう。

若ハゲになりやすい人の3つの特徴

若ハゲになりやすい人の特徴として、以下の3つが挙げられます。

自分に当てはまるものがないかチェックしましょう。

フケや頭皮の皮脂が多い

若ハゲになりやすい人は、フケや頭皮の皮脂が多い傾向にあります。

たとえば、異常なフケには以下の2パターンがあり、どちらも頭皮環境の悪化を示すサインかもしれません。

さらに、過剰な皮脂で頭皮のベタつきが続いていると、炎症や細菌の繁殖を引き起こす可能性があります。

過剰なフケや皮脂が抜け毛を引き起こすケースがあるので、心当たりがあれば、ヘアケアや生活習慣を見直しましょう。

親族にハゲている人が多い

親族に薄毛の人が多い方は、若ハゲになりやすいです。

上記は遺伝する可能性があるので、自分の両親や祖父母に薄毛の人が多い方は、遺伝子検査を受けて適切な治療法を見つけましょう。

不健康な日常生活を送っている

若ハゲになりやすい人は、普段から不健康な生活を送っている傾向があります。

上記のような望ましくない生活習慣を続けていると、頭皮への血流が悪くなって髪が成長できず、抜け毛を引き起こしやすいでしょう。

若ハゲを悪化させないための3つの対策

若ハゲを悪化させないために、薄毛が気になりはじめたら以下の3つの対策を実践しましょう。

どれもすぐに試せるので、それぞれ詳しく解説します。

生活習慣を見直す

生活習慣の改善には、若ハゲの進行を遅らせる可能性があります。

具体的には、以下のような生活の見直しをしてみましょう。

健康的な生活を意識すれば、薄毛だけでなく、肥満や高血圧などの生活習慣病の予防にもつながります。

頭皮や髪のケアを正しくおこなう

髪の毛が成長しやすい頭皮環境を作るために、頭皮や髪のケアを正しく行いましょう。

理想の頭皮ケアについては、以下を参考にしてみてください。

適切な方法でヘアケアを実践すれば、AGAや薄毛の治療効果が高まるでしょう。

栄養バランスの取れた食事を心がける

ジャンクフードや脂質の多い食べ物ばかり食べていると、皮脂が過剰に分泌されやすくなります。

皮脂がフケや雑菌を増やすと頭皮の炎症につながるので、薄毛予防には栄養バランスの取れた食事が欠かせません。

髪の成長に必要なおもな栄養素を下の表にまとめたので、参考にしてみてください。

主食、主菜、副菜を意識したバランスのよい食事を心がければ、薄毛に気付いたタイミングでも、ハゲの進行を遅らせる可能性があります。

若ハゲの3つの治療法

症状に応じて適切な薄毛治療をおこなうには、病院やクリニックでの診察が欠かせません。

医師がおこなうおもな治療法として、以下の3つが挙げられます。

治療の選択肢を知っておけば、心構えができた状態で病院を受診できるでしょう。

AGA治療薬

若ハゲの治療には、AGA治療薬が使われます。

おもなAGA治療薬の種類と作用を、以下の表にまとめました。

日本皮膚科学会ガイドラインにおいて、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル（外用）の3つは、効果が認められている治療薬です。

AGA治療で「おこなうよう強く勧める」とされており、AGA治療の第一選択として使われます。

AGA治療薬は、薄毛治療を行っている病院やクリニックで処方されます。

肝機能障害や勃起不全（ED）などの副作用もあるので、抜け毛や薄毛が気になりはじめたら、医師と相談しながら治療法を検討してみてください。

植毛手術

植毛手術も、若ハゲやAGAに効果のある治療法です。

髪の毛を増やす目的で、以下の2パターンから効果が見込める手術法を選択します。

人工植毛は頭皮の炎症や拒絶反応を引き起こすケースが多く報告されているので、日本でもほとんど行われません。

一方で、自毛植毛は男性の若ハゲやAGAの改善効果が認められている治療法です。

日本皮膚科学会ガイドラインでも「おこなうよう勧める（エビデンスレベル：B）」とされています。

AGA治療薬と自毛植毛を併用するケースもあるので、植毛手術が自分の薄毛に効果的であるか、医師に相談してみてください。

育毛剤

育毛剤の使用も、若ハゲやAGAの改善が期待できる治療法です。

薄毛治療の「ミノキシジル」には、内服薬（飲み薬）と外用薬（塗り薬）があります。

なかでも、育毛剤タイプの外用薬は、日本皮膚科学会ガイドラインで効果が認められている治療法です。

他にも、TGF-β1の働きを抑えて髪の成長を促す「t-フラバノン」という成分を含む育毛剤にも、薄毛の治療効果があると言われています。

育毛剤はネットや薬局でも買えますが、なかには効果が認められていない商品もあります。

かえって頭皮環境を悪くする可能性もあるので、薄毛が不安で育毛剤の使用を検討しているときは、必ず病院やクリニックで相談しましょう。

若ハゲを目立ちにくくする2つの方法

若ハゲを目立ちにくくする工夫として、以下の2つの方法があります。

薄毛が目立たない工夫をしておけば、治療期間中でも周りからの視線を気にせず生活できるでしょう。

髪型を工夫する

薄毛が気になるときは、目立たないように髪型を工夫するのがおすすめです。

具体的には、以下のような工夫によって、薄毛でも印象のよい髪型になるでしょう。

逆に、前髪を伸ばしておでこを隠すと髪の隙間から皮膚が見えやすくなるので、薄毛が目立つ場合があります。

どうしても自分に合った髪型がわからないときは、美容師と相談しながら決めるのがおすすめです。

スプレーやパウダーを使用する

頭皮専用のスプレーやパウダーを使えば地肌が目立ちにくくなるので、薄毛がばれにくくなるでしょう。

自分の髪色に近い商品を使えば、頭頂部やおでこの生え際などの薄毛が目立ちにくくなります。

ただし、エタノールなどの成分が含まれた商品を使うと、頭皮の乾燥や炎症を引き起こす可能性があります。

より安全に薄毛を隠すために、使用前に医師と相談するのが無難です。

ハゲに関するよくある質問

ハゲに関するよくある質問を紹介します。

まとめ

この記事では、若ハゲの原因と対策について解説しました。

ハゲは、頭皮の酵素「5α-リダクターゼ」が男性ホルモンに反応しやすい状態で引き起こされると考えられています。

それでも、食事や睡眠、ストレスなどの生活習慣とも繋がりがあると言われているので、抜け毛や薄毛に不安を感じたら、自分の生活を見つめなおす機会を設けましょう。

いまでは効果的な治療法もあるので、薄毛の悩みはひとりで抱え込まず、早めに専門の病院やクリニックで相談してみてください。