EDとは何の略?治療法や8つの原因を解説

【この記事でわかること】
- EDとは
- EDのチェックリスト
- EDの原因・リスクとなるもの
- EDの治療方法
- EDを治療する病院の選び方
この記事がEDへの理解を深め、健康への不安を取り除く助けになれば幸いです。
EDとは
EDとは「満足な性行為をおこなうのに十分な勃起が得られないか、維持できない状態」で、正式名称は「Erectile Dysfunction:勃起障害・不全」です。
ただし、一度勃起しなかっただけでEDと判定されることはありません。
判定されるのは、勃起を維持できない状態が続く、または再発する場合です。
日本人男性の場合、約1400万人、割合にすると30.9%の方がEDといわれています。
EDは、原因をもとに以下の3つに大きく分類されます。
また、性行為の途中で陰茎がやわらかくなる「中折れ」もEDの一種です。
【自分は当てはまる?】EDのセルフチェックリスト
自分がEDに当てはまるかは、自宅で簡単にチェックできます。
以下の表は、実際に問診で使われるセルフチェックリストです。
5つの項目について過去6ヶ月間を振り返り、自分に当てはまるものを選んでみましょう。
項目 | 評価 |
勃起してそれを維持する自信はどの程度あったか | 1:非常に低い
2:低い 3:中くらい 4:高い 5:非常に高い |
性的刺激によって勃起したとき、毎回挿入可能な硬さになったか | 1:ほとんど、またはまったく挿入できる硬さにならなかった
2:たまになった(半分よりかなり低い頻度) 3:時々なった(ほぼ半分の頻度) 4:しばしばなった(半分よりかなり高い頻度) 5:いつも、またはほぼいつも挿入できる硬さになった |
性交の際、毎回勃起を維持できたか | 1:ほとんど、またはまったく勃起を維持できなかった
2:たまに維持できた(半分よりかなり低い頻度) 3:時々維持できた(ほぼ半分の頻度) 4:しばしば維持できた(半分よりかなり高い頻度) 5:ほぼいつも、またはいつも勃起を維持できた |
性交の際、性交が終わるまで勃起を維持するのはどのくらい困難だったか | 1:きわめて困難だった
2:とても困難だった 3:困難だった 4:やや困難だった 5:困難でなかった |
性交を試みたとき、毎回性交に満足できたか | 1:ほとんど、またはまったく満足できなかった
2:たまに満足できた(半分よりかなり低い頻度) 3:時々満足できた(ほぼ半分の頻度) 4:しばしば満足できた(半分よりかなり高い頻度) 5:いつも、またはほぼいつも満足できた |
参考:ED診療ガイドライン
各項目の合計点数が以下のどれに当てはまるかで、EDの重症度がわかります。
EDの重症度 | 合計点数 |
重症 | 5~7 点 |
中等症 | 8~11 点 |
軽症~中等症 | 12~16 点 |
軽症 | 17~21 点 |
EDでは無い | 22~25 点 |
ただし、EDの重症度は外国人のデータをもとに作られているため、完全に信用できるものではありません。
自分でチェックする場合は参考にとどめるようにしてください。
また、病院ではリストによるチェックに加え、以下の内容も確認します。
- 勃起状況や生活習慣
- EDの原因となる持病が無いか
性機能専門医が在籍する場合、夜間勃起現象(夜勃ち・朝勃ち)や陰茎の血流・血管などの状態を合わせて確認するケースもあります。
自分がEDなのか気になる場合は、病院で相談してみるのも一つの方法です。
EDの原因・リスクとなる8つの要因
EDの原因・リスクとなる要因は、以下のとおりです。
- 加齢
- 生活習慣病
- 心理的な要因
- 肥満・運動不足
- 喫煙
- 男性ホルモンの低下
- 神経系の病気
- 薬の副作用
一つの要因だけでEDになる方もいますが、実際は複数の要因が合わさってEDにつながる例が多くみられます。各要因を順番に説明します。
加齢
「加齢」は、EDの最重要リスクファクターです。
なぜなら、加齢は動脈硬化や男性ホルモンの低下など、複数の器質的EDの要因に関わるためです。
たとえば、40歳未満でEDの方は全体の1〜10%ほどであるのに対し、70歳以上では50〜100%に達すると推定されています。
なお、日本人は、アメリカ人よりも年齢による性機能の低下が起こりやすいといわれています。
生活習慣病
以下の生活習慣病は、器質性EDと関連があるといわれています。
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 心血管疾患
生活習慣病によって動脈硬化が起こると、血管の働きが悪くなります。
その結果、勃起に必要な陰茎への血流が確保しにくくなり、EDになるのです。
また、糖尿病の方は普通の方よりも10〜15年EDになるのが早いという報告もあります。
勃起は、陰茎に十分な量の血液が流れ込むことで起こります。
生活習慣病は血流悪化や血管の劣化を起こすため、正常な勃起機能の大敵といえるでしょう。
心理的な要因
20代や30代の若い男性に多くみられるEDは「心因性ED」です。
心因性EDは、以下のような心理的な要因によって起こります。
- ストレス
- 妊活のプレッシャー
- 性生活への不安やトラウマ
- うつ病をはじめとする精神の病気
「うまくセックスできないとパートナーに嫌われるかも」「この前中折れしたから不安」などの直接的な性行為への不安に加えて、仕事のストレスや心配ごとなどもEDにつながるケースがあります。
肥満・運動不足
運動不足による肥満は、器質性EDの発症・悪化に関わります。
たとえば、アメリカの研究によると以下のような報告があります。
- 肥満体型の方はEDになりやすい
- 運動不足はEDの発症と関係がある
- 重度の肥満であるほどEDのリスクは上昇する
日本性医学学会も、ED診療ガイドラインで「肥満の解消、運動不足の解消はEDの改善・予防につながる可能性が高い」としており、薬を使わないEDの治療法として運動をすすめています。
喫煙
タバコを吸う方は、吸わない方よりもEDになるリスクが高まります。
喫煙量が多く、喫煙期間が長いほどリスクは高いとされています。
喫煙がEDに悪影響を与える原因は、以下のとおりです。
- 血管をぼろぼろにするから
- 陰茎への血流を悪くするから
- 交感神経を刺激して勃起をさまたげるから
また、タバコはEDの直接的な原因になるだけでなく、脂質異常症や高血圧、動脈硬化、心筋梗塞などのリスクも上昇させます。
タバコを吸う方は、自分の喫煙本数や期間を思い返してみてはいかがでしょうか。
男性ホルモンの低下
男性ホルモンの一種「テストステロン」は、勃起に関係する神経や血管、陰茎組織の機能を保つのに大切な役割を果たします。
そのため、加齢によってテストステロンが低下すると、EDになりやすくなるのです。
また、「男性更年期障害」とも呼ばれる、テストステロン低下やホルモンバランスの乱れによって起こる「LOH症候群(男性加齢性機能低下症候群)」でも、EDになる可能性があります。
LOH症候群になるとEDに加えて「気分の落ち込み」「ほてり・動悸」「性欲減退」「疲れやすさ」などの症状もよくあらわれます。
神経系の病気
勃起は脳からの信号が陰茎に伝わって起こります。そのため、神経の伝達が悪くなる病気もEDの原因です。
EDを起こす神経系の病気と、EDにもなる確率を以下に紹介します。
神経系の病気 | EDにもなる確率 |
脳卒中 | 48.3% |
てんかん | 42.5% |
パーキンソン病 | 68.4% |
多発性硬化症 | 50~75% |
多系統萎縮症 | 96% |
なかには、EDが原因で病気が見つかるケースもあります。
薬の副作用
持病やアレルギーなどの治療薬の副作用で、EDになる場合もあります。
EDを起こす可能性のある薬の例を、以下に紹介します。
- 血圧の薬
- 抗うつ薬
- アレルギー治療薬
- 前立腺肥大治療薬
- AGA治療薬
ただし、薬を飲んだ人全員がEDになるわけではありません。
必要な薬の服用を、自己判断で中止するのは危険です。
とくに高血圧とうつ病は病気自体がEDの原因でもあるため、起こったEDが薬の副作用のせいなのか持病のせいなのかを自分で見極めるのは困難です。
薬の服用中にEDが気になり始めた場合は、医師に必ず相談するようにしてください。
EDの治療方法3選
EDの治療方法は、おもに以下の3つがあげられます。
- 生活習慣の改善
- 市販の精力剤やサプリメント
- ED治療薬
それぞれの治療法のメリット・デメリットと特徴をみていきましょう。
生活習慣の改善
疲れや睡眠不足、ストレス過多、喫煙などの乱れた生活習慣は血流を低下させ、EDの原因となります。生活習慣を整えると、徐々にEDの改善が期待できるでしょう。
生活習慣を改善するには、以下の方法を試してみてください。
- 禁煙
- 運動
- バランスの取れた食生活
生活習慣を整えると、血流の改善に加えて、EDのリスク因子である「肥満」「生活習慣病」などの改善も期待できます。
EDを生活習慣の改善で治療するメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・体調全般が整う効果が期待できる
・生活習慣病の改善にともなうEDの改善 |
・自分の意思による努力が必要
・効果が出るまである程度の期間が必要 |
慣れ親しんだ生活習慣を変えるには、時間がかかるものです。
「食生活を改善する」「タバコ休憩の回数を減らす」「気候のよい日は通勤で1駅分歩く」など、できることから少しずつ始めてみてください。
市販の精力剤やサプリメント
ビタミン剤や生薬成分などを含む、いわゆる「精力剤」をEDの治療薬として選ぶ方もいます。
直接的にEDを改善する効果は薄いのですが、疲労の回復や「飲んだから大丈夫」というお守りのような効果、成分によっては穏やかな勃起力のサポートが期待できるでしょう。
市販の精力剤やサプリメントを使用するメリット・デメリットは、以下のとおりです。
- メリット:コンビニエンスストアやドラッグストアで手軽に手に入る
- デメリット:EDの治療効果は薄い
精力剤には、持ち運びに便利な錠剤タイプ、水なしですぐに飲めるドリンクタイプがあります。好みに合わせて選ぶのがよいでしょう。
ED治療薬
ED治療薬とは、陰茎に流れ込む血流を増やして勃起をサポートする飲み薬です。
ドラッグストアや薬店で買えるOTC医薬品ではないため、EDを治療する専門クリニックや、泌尿器科への受診が必要です。
ED治療薬のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・治療効果が高い
・医師の指導を受けられる |
・医療機関への受診が必要
・持病によっては飲めない方もいる |
EDを治療するクリニックでは「現在の状況」「ED治療への希望」などを確認し、一人ひとりに合わせた治療を提案します。
日本で使われているED治療薬は、以下のとおりです。
3種類の薬は、どれも基本的に性行為の1時間前に服用します。それぞれの薬は効果の続く時間や食事の影響を受けるかなどが異なり、医師と相談の上で薬を選択するのが一般的です。
ただし、心臓の持病がある方、血圧が安定していない方などはED治療薬を服用できないケースもあります。受診の際は、持病や飲んでいる薬の内容を必ず医師へ伝えるようにしてください。
EDを治療する病院・クリニックの選び方
EDを治療する際は、以下の点に注目してクリニックを選びましょう。
- 説明は丁寧か
- 通いやすい場所にあるか
- プライバシーの配慮があるか
- 治療にかかる費用の目安が記載されているか
- 自分が気になるED治療法を取り扱っているか
EDは心理的な要因も関係するため、合わないクリニックを選ぶと治療がうまくいかない可能性も考えられます。
ホームページの雰囲気や受けられる治療法などをよく調べ、納得できるクリニックを選ぶようにしましょう。
EDに関するよくある質問
インポテンスとEDの違いは何ですか?
インポテンツとEDの意味は、ほとんど同じです。
「インポテンツ」は、EDという用語が広く使われる前に「男性の性的不能」の意味で使われていた言葉です。「役に立たない」という差別的な意味を含むため、現在は医療用語として使われることはほぼありません。
EDは筋トレで治りますか?
「EDが筋トレで治った」という話が一部でありますが、全員のEDが治るわけではありません。
ただし、筋トレによって運動習慣がつき、以下のような理由でEDが改善する可能性は考えられます。
- 血流がよくなった
- 生活習慣病や肥満が改善した
健康的な生活に、適度な筋肉は欠かせません。筋トレは場所や費用をかけずにおこなえるため、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
ED治療は保険適用になりますか?
ED治療は、基本的に健康保険の適用されない「自由診療」です。そのため、クリニックごとに診療内容や診察料、検査費用、薬の価格などは異なります。
ただし、一定の条件を満たし、男性不妊による不妊治療のために使用する場合は、健康保険が適用されるケースもあります。
EDを予防する方法はありますか?
EDを予防するには、以下の方法を試してみましょう。
- ストレスを溜めない
- 生活習慣をととのえる
- 肥満にならないよう適度な運動をする
生活習慣の改善や適度な運動は、EDのリスクを下げるだけでなく、生活習慣病全般の予防にもつながります。
心身ともにすこやかな毎日を送ることが、EDを防ぐ秘訣といえるでしょう。
まとめ
この記事では、EDに関する基本的な内容を解説しました。
【この記事のまとめ】
- EDとは「満足な性行為をおこなうのに十分な勃起が得られないか、維持できない状態」
- EDは「加齢」「生活習慣病」「心理的な要因」「肥満」「喫煙」「男性ホルモンの低下」「神経系の病気」「薬の副作用」でおもに起こる
- 複数の原因が重なるケースも多い
- EDの治療法は「生活習慣の改善」「市販の精力剤・サプリメント」「ED治療薬」
- 治療効果が高いのはED治療薬
EDになると勃起力が低下し、性行為に不便が生じます。
一度は勃起するものの、途中で陰茎がしぼむ「中折れ」もEDの一種です。
EDの原因は、加齢や生活習慣病、肥満など多岐にわたります。
生活習慣の改善による血流改善や精力剤による疲労回復でEDがよくなる方もいますが、効果が高い治療法は「ED治療薬」です。
当院では、ED治療薬の処方もおこなっております。
「性行為の失敗が増えた」「EDかわからないけれど、最近勃ちが悪い」などの方は、気軽にご相談ください。