性病の種類と初期症状、感染経路を解説|潜伏期間と検査法について

性病(性感染症)とは、おもに性行為(オーラルセックス、アナルセックスを含む)によって細菌やウイルスに感染する病気です。 20代での感染が多く報告されており、梅毒やクラミジアなど一部の性病の患者数は年々増えています。 陰部に違和感があると、自分が性病になっていないかと不安に感じる方もいるでしょう この記事では、11種類の性病の症状と感染経路、治療法について解説します。

【この記事でわかること】

  • 11種類の性病と症状、治療法
  • 6つの感染経路
  • 性病の潜伏期間
  • 性病の2つの検査方法
  • 性病の予防法

性病を発症しているかの最終判断は、専門機関での検査が必要です。

この記事が病院を受診するきっかけとなり、陰部の不安なく日常生活や性行為を楽しめるようになれば幸いです。

性病の種類|11種類

おもな性病として、以下の11種類が挙げられます。

  • クラミジア
  • 性器ヘルペス
  • B型肝炎|A型肝炎・C型肝炎
  • 梅毒
  • 淋病
  • カンジダ症
  • HIV(エイズ)
  • ヒトパピローマウイルス感染症
  • マイコプラズマ
  • トリコモナス症
  • アメーバ症

それぞれの症状や感染経路、治療法を知っておけば、病院を受診すべきか判断できるので、陰部の不安を解消できるかもしれません。

クラミジア

原因 細菌感染(クラミジア・トラコマティス)
症状 男性

・陰部のかゆみ

・排尿時の痛み(尿道炎)

・精巣の痛み、腫れ(精巣上体炎)

・陰茎からの分泌物(透明、白色)

女性

・下腹部の痛み

・異常な量のおりもの

・不正出血(生理期間以外での出血)

・子宮や骨盤の炎症(子宮頸管炎、子宮内膜症、卵管炎など)

直腸(肛門)

・腹痛、下痢

・肛門周辺の痛み

・肛門からの出血、分泌物

咽頭(喉)

・首のリンパ節の腫れ

・風邪に似た症状(喉の痛み、咳、発熱)

結膜(目)

・結膜炎(めやに、充血、まぶたの腫れ)

潜伏期間 約1〜3週間
感染経路 ・キス

・性行為

・アナルセックス

・オーラルセックス

・母子感染

検査方法と実施できる時期 ・抗原検査(感染から約1〜3日後)

→患部の粘膜や分泌物を採取

・抗体検査(感染から約3〜4週間後)

→採血

治療法 抗菌薬、抗生物質の服用
完治の有無 完治が見込める

クラミジアは、日本で感染者数が最も多いと言われている性病です。

生殖器だけでなく、喉や肛門、目の結膜にも感染します。

性行為で性器同士の接触がなくても、オーラルセックスやアナルセックス、陰部の分泌物がついた手で目を擦るなどの行為でも感染する可能性があります。

男女ともに、症状は無症状のケースが多いです。

ただし、1〜3週間が経った時期に、男性は陰部のかゆみや精巣の腫れ、女性は異常な量のおりものが見られる場合があります。

慢性化した場合、男女ともに生殖器の炎症につながるので、不妊症を引き起こすかもしれません。

クラミジアの治療では、抗菌薬や抗生物質などの薬物療法が行われます。

早めに治療をはじめれば、1〜4週間程度で完治できると言われているので、少しでも不安に感じたら専門機関を受診してみてください。

性器ヘルペス

原因 ウイルス感染(単純ヘルペスウイルス)
症状 ・発熱

・だるさ

・排尿時の痛み

・痛みを伴う水疱(陰部、肛門、太もも、膣内など)

潜伏期間 約4〜7日
感染経路 ・性行為

・患部の分泌物への接触

・感染している皮膚との接触

・タオルや便座、食器の使い回し

検査方法と実施できる時期 ・抗原検査(感染から約1〜3日後)

→患部の分泌物を採取する

・抗体検査(感染から4週間以上)

→採血

治療法 抗ウイルス薬(服用、軟膏)
完治の有無 完治が見込めない

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスに感染して発症する性病です。

痛みを伴う水疱が特徴で、陰部や肛門だけでなく、膣や子宮頸部などの体内にも水疱が発生します。

潜伏期間は約4〜7日です。

ヘルペスウイルスは唾液や体液にも含まれているので、ウイルスの付着したタオルや食器などからも感染する可能性もあります。 

また、性行為でコンドームを装着していても、陰部以外の皮膚から感染するケースも考えられます。

患者には抗ウイルス薬を使った治療を行いますが、ヘルペスウイルスを完全に排除するのはできないので、再発率は高いです。

症状を抑えるためには薬での治療だけでなく、生活習慣の改善によって免疫を高める必要があります。

B型肝炎|A型肝炎・C型肝炎

原因 ウイルス感染(B型肝炎ウイルス)
症状 急性期(数週間〜6ヶ月)

・だるさ

・吐き気

・蕁麻疹

・目や皮膚の黄疸(黄色く変色)

・褐色の尿(濃い烏龍茶のような色)

慢性期(6ヶ月以上)

・腹水

・脾臓の腫大

・消化管の出血

・肝性脳症(脳機能の低下)

・くも状血管腫(クモの足のように血管が皮膚から見える)

潜伏期間 約1〜6ヶ月
感染経路 ・母子感染

・性行為(キス、オーラルセックスを含む)

・血液感染(注射器の使い回し、傷口に患者の血液が接触など)

検査方法と実施できる時期 ・抗原検査、抗体検査(感染から2ヶ月以上)

→採血

治療法 ・抗ウイルス薬(服用、注射)

→ウイルスの活動と増殖を抑える

・肝庇護療法(かんひごりょうほう)

→肝炎が重症の場合、肝臓の機能を改善させる

完治の有無 完治が見込めない(症状の完治は見込める)

B型肝炎は、おもに血液や体液を通じてウイルスに感染し、肝臓に炎症を引き起こす病気です。

昭和時代に行われた集団予防接種での「注射器の使い回し」によって血液感染が起きたとされていますが、性行為でも感染します。

潜伏期間は約1〜6ヶ月で、だるさや吐き気、濃い烏龍茶のような色の尿、目や皮膚の黄疸(黄色い変色)といった症状が出ます。

ただし、発症後も症状が出にくいうえに、症状が出ても約1ヶ月で回復するケースが多いです。

病気が進行すると脳や心臓などの全身に症状を引き起こし、重症化すれば死亡するケースもあります。

B型肝炎はウイルスを完全に体内から排出できないので、完治は見込めません。

それでも、薬物治療で肝臓の炎症を押さえれば症状が出にくくなるので、不安に感じたら早めに病院で検査と治療を行いましょう。

また、A型肝炎は患者の排泄物(便、尿など)から感染する病気なので、アナルセックスや肛門を舐める行為などで感染します。

C型肝炎はおもに血液感染によって発症する病気なので、性行為で感染する可能性は低いとされています。

梅毒

原因 細菌感染(梅毒トレポネーマ)
症状 初期(3週間〜3ヶ月)

・初期硬結(陰部や唇、口腔内に発生するしこり)

・硬性下疳(しこり周囲の皮膚のただれ)

2期(3ヶ月〜3年)

・扁平コンジローマ(白色や淡い赤色の平らなしこり)

・バラ疹(淡くて赤いバラの花に似た発疹)

・膿疱性梅毒(膿を含んだ水疱、発疹)

・爪の周辺の変色(白、赤)

3期(3年〜10年)

・ゴム腫(ゴムのような弾力の腫瘍、しこり)

4期(10年以降)

・全身の臓器への症状(心臓や脳、血管や神経などの機能不全)

・最悪の場合、死亡

潜伏期間 約1〜13週間
感染経路 ・キス

・母子感染

・性行為(オーラルセックス、アナルセックスを含む)

・体液への接触(可能性は低い)

検査方法と実施できる時期 血液検査(感染から4週目以降)
治療方法 ペニシリン系の抗生物質を使った薬物療法

・筋肉注射(1〜3週間)

・服薬(2〜12週間)

完治の有無 完治が見込める

梅毒は、おもに性行為で細菌の「梅毒トレポネーマ」に感染して発症する病気です。

潜伏期間は約1〜13週間とばらつきがあるうえに、感染後も症状が出たり消えたりするので、違和感があっても「自然に治った」と勘違いする方もいます。

感染初期に見られる症状として、陰部や唇、口内にできるしこり(初期硬結)が特徴的です。

しこり周囲の皮膚がただれるケース(硬性下疳)もありますが、症状に痛みはなく、約3〜12週間で自然に消えます。

3ヶ月以上が経ったタイミングで、全身に「バラ疹」と呼ばれる発疹が見られる場合がありますが、痛みはないうえに自然に消失するケースが多いです。

梅毒が重症化すると、死亡する可能性もあります。しかし、ほとんどの場合は2期での症状で気づきやすいです。

効果が認められている治療薬もあるので、早めに治療をはじめれば完治できる可能性があります。

淋病|淋菌感染症

原因 細菌感染(淋菌)
症状 ・発熱、喉の痛み

・排尿時の痛み(尿道炎)

・陰部からの分泌物(黄色い膿)

・おりものの異常(量が多い、悪臭、黄緑への変色)

・生殖器の炎症や腫れ

(男性:前立腺炎、精巣上体炎)

(女性:子宮頸管炎、卵管炎)

潜伏期間 約2〜10日
感染経路 ・性行為

・母子感染

・ディープキス

・オーラルセックス

・手指やタオルを通じての感染

検査方法と実施できる時期 ・抗原検査(感染から約1〜3日後)

→患部の粘膜や分泌物から採取

→うがい液

→尿検査

治療方法 抗菌薬、抗生物質

・筋肉注射

・服用

完治の有無 完治が見込める

淋病(りんびょう)とは「淋菌」という細菌が、感染部位の粘膜や分泌物を通じて、生殖器やのど、直腸などに感染して発症する性病です。

性行為だけでなく、タオルや下着、手指などに付着した患者の体液からも感染する可能性があります。

おもな症状は、排尿時の痛みと陰部からの分泌物です。

男性は尿道からの黄色い膿、女性は黄緑で悪臭のするおりものが見られるようになります。

オーラルセックスやアナルセックスによって感染すれば、喉の痛みや排便時の痛み、下腹部痛を引き起こすケースもあります。

ただし、潜伏期間が約2〜10日と言われているものの、自覚症状は出にくいです。

また、他の性病とも症状が似ているので、詳細は検査をしなければわかりません。

淋病に感染しても、早めに治療をはじめれば完治が見込めます。

感染が疑われる行為から約1〜3日が経てば検査できるので、不安なときは病院やクリニックを受診しましょう。

カンジダ症

原因 真菌感染(カンジダ属の真菌)
症状 男性

・陰部のかゆみ

・陰部の水疱

・亀頭の炎症

・尿道炎

女性

・陰部のかゆみ

・異常な量のおりもの

・粘度の高いおりもの

・性行為での痛み

・排尿障害

口腔内、食道

・白や赤の斑点

・刺激感、食事中の痛み

潜伏期間 約1〜7日(常在菌のため特定できない)
感染経路 ・免疫力の低下

・陰部の不衛生や洗いすぎ

・ステロイド薬の使用

・性行為

検査方法と実施できる時期 抗原検査(感染から約1〜3日後)

→患部の分泌物を採取

治療方法 ・抗真菌薬(軟膏、内服、静脈内投与)

・陰部の洗浄

完治の有無 完治が見込めない

カンジダ症は、カンジダ属の真菌(カビ)によって引き起こされる真菌感染症です。

健康な人の体内にも存在しているため、ストレスや風邪などで免疫力が低下すれば、性行為をしなくても発症する可能性があります。

とくに、女性で発症するケースが多く、陰部のかゆみや粘度の高いドロドロしたおりものが見られやすいです。

男性の場合、清潔を保ちにくい包茎の陰部に発症しやすく、陰部のかゆみや亀頭の炎症、排尿時の痛みを引き起こします。

カンジダは一度治療が完了しても、再発の可能性がある病気です。

規則正しい生活と栄養バランスの取れた食事で免疫を高めれば、カンジダ症になりにくくなるでしょう。

HIV(エイズ)

原因 ウイルス感染(ヒト免疫不全ウイルス)
症状 ・風邪に似た症状(発熱、だるさ、喉の痛み

・リンパ節の腫れ(首、わきの下、鼠径部など)

・カンジダ症(陰部の分泌物、口内の斑点など)

・帯状疱疹(たいじょうほうしん)

潜伏期間 数週間〜数十年
感染経路 ・性行為(オーラルセックス、アナルセックスを含む)

・血液感染

・母子感染

検査方法と実施できる時期 抗体検査(感染から3ヶ月以上)

→採血

治療方法 複数の薬を併用して治療
完治の有無 完治が見込めない

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)はおもに性行為によって感染し、体内の免疫力を下げるウイルスです。

健康な状態では感染しない細菌やウイルスでも、免疫力が下がった状態では「日和見感染症」を引き起こしやすくなります。

ウイルスが体内で増え、定められた23項目に当てはまる症状が出たら、AIDS(エイズ)と診断されます。

血液や体液などを介して感染し、おもに性行為で感染するケースが多いです。

初期は発熱や喉の痛み、筋肉痛などの風邪に似た症状が出現し、数週間程度で改善します。

その後、症状が出ない期間が長いので、潜伏期間は数週間〜数十年です。

放置すると死亡するケースもあるので、検査でHIVの感染が確認されたら、複数の薬を併用した治療(多剤併用療法)が行われます。

エイズの検査は、住んでいる地域の自治体や保健所で無料で受けられる場合があります。

感染が疑われる行為から3ヶ月が経てば検査ができるので、不安なときは、こちらの「API-Net エイズ予防情報ネット」で検査ができる場所を探してみてください。

ヒトパピローマウイルス感染症

原因 ウイルス感染(ヒトパピローマウイルス)
症状 ・性器や肛門にできるイボ(尖圭コンジローマ)

・強い痛み、かゆみ(まれ)

潜伏期間 約3週間〜8ヶ月(平均 2.8 ヶ月)
感染経路 ・性行為(オーラルセックスを含む)

・キス

検査方法と実施できる時期 細胞診検査(30〜60歳の女性は5年に1回)

→患部をヘラで擦って細胞を採取

治療方法 ・手術

・レーザー

・凍結療法

・薬を塗る治療

・自然治癒

完治の有無 完治が期待できる

ヒトパピローマウイルス感染症は、性行為によって「ヒトパピローマウイルス(HPV)」に感染して発症する病気です。

性行為で陰部に感染しますが、オーラルセックスで口に感染すれば「口腔がん」のリスクを高めます。

また、女性の子宮頸がんの原因とも言われており、30〜60歳の女性は5年に一度の検査が推奨されています。

おもな症状は、性器の周りにできるイボ(尖圭コンジローマ)です。

ほとんど痛みはありませんが、まれに激痛やかゆみ、不快感が生じるケースがあります。

感染から8ヶ月が経つと半数の人が自然に治癒し、2年以内には約90%が治ります。

ワクチンを接種すれば、がんの原因になるほとんどのHPVの予防が可能です。

男性も陰茎がんや肛門がんなどのリスクがあるので、不安なときは一度専門医に相談してみてください。

マイコプラズマ

原因 細菌感染(マイコプラズマ属の細菌)
症状 男性

・陰部の分泌物 

・排尿時の痛み(尿道炎)

女性

・排尿時の痛み

・異常な量のおりもの

・子宮や卵巣などの炎症

潜伏期間 約1〜5週間
感染経路 ・性行為(オーラルセックス、アナルセックスを含む)

・キス

検査方法と実施できる時期 抗原検査(感染から約1〜3日後)

・陰部の粘膜や分泌物を綿棒で採取

・うがい薬

・尿検査

治療方法 抗菌薬の服用
完治の有無 完治が期待できる

性器マイコプラズマは、マイコプラズマ属の細菌に感染して発症する性病です。

「マイコプラズマ肺炎」とは別の病気で、おもに性行為やキスでの体液の接触で感染します。

オーラルセックスによって喉が感染したり、喉から陰部に感染したりする可能性もあります。

女性の場合はほぼ無症状ですが、男性は排尿時の痛みや陰部の分泌物が見られるケースが多いです。

しかし、クラミジアや淋病と症状が似ているので、詳細は抗原検査をしないとわかりません。

抗菌薬による治療で完治が見込めるので、 少しでも不安に感じたら早めに病院や専門のクリニックを受診しましょう。

トリコモナス症

原因 寄生虫への感染(腟トリコモナス)
症状 男性

・陰茎の分泌物(泡状)

・排尿時の痛み(前立腺炎)

女性

・生臭いおりもの(泡状、黄緑色)

・性行為での痛み

・排尿時の痛み

・膣周辺の腫れ

潜伏期間 約1〜3週間
感染経路 ・性行為

・接触感染(下着、タオル、便器、浴槽)

検査方法と実施できる時期 ・男性:陰部の分泌物の採取

・女性:おりものの採取

(感染から約1〜3日後)

治療方法 抗菌薬の服用(約7日間)
完治の有無 完治が期待できる

トリコモナス症は、寄生虫の「膣トリコモナス」に感染して発症する性病です。

おもに性行為で感染しますが、寄生虫による感染なので下着やタオル、便器、浴槽などにトリコモナスが付着していれば、接触で感染する可能性があります。

男性よりも女性に症状が出やすく、黄緑色の生臭いおりものが見られたり、膣周辺の腫れや痛みが生じたりする場合があります。

トリコモナス症は「抗菌薬」を約7日間服用すれば、完治が見込める病気です。

潜伏期間は約1〜3週間で、検査は約1〜3日以上経っていれば実施できます。

多くのケースで他の性病と併発しているので、不安に感じたら早めに病院を受診し、医師と検査項目について相談してみてください。

アメーバ症

原因 寄生虫への感染(赤痢アメーバ)
症状 ・発熱

・吐き気

・腹痛、下痢

・しぶり腹(頻繁な便意)

・腸穿孔(腸に穴があく状態)

・イチゴゼリー状の粘血便(赤くてドロドロ)

潜伏期間 約2〜4週間(数年になる場合もある)
感染経路 ・汚染された水や飲食物を介した感染

・便に含まれるシスト(休眠状態の寄生虫)の経口感染

・性行為(肛門を舐める行為、アナルセックス、オーラルセックスを含む)

検査方法と実施できる時期 便の検査
治療方法 抗アメーバ薬(服用、静脈注射)
完治の有無 完治が期待できる

アメーバ症は、寄生虫の「赤痢アメーバ」に感染して発症する病気です。

汚染された水や食べ物、感染者の便などから感染し、肛門を舐めるような性行為でも感染する可能性があります。

衛生状態が悪い発展途上国で感染者が多い病気ですが、日本でも発症が確認されています。

典型的な症状は、ドロドロした血便(イチゴゼリー状の粘血便)です。

寄生虫が大腸の粘膜を攻撃し、血便や下痢、吐き気などの症状を引き起こします。

症状は数日〜数週間で出たり消えたりするので、普段どおりの生活を送れるケースが多いです。

症状を放置して悪化すると、腸に穴があくケース(腸穿孔)もあります。

アメーバ症は、抗菌作用のある薬で早めに治療をはじめれば、完治が期待できる病気です。

しかし、治療後も再感染の可能性があるので、肛門を舐めるような性行為やサービスの利用は控えた方がよいでしょう。

性病の6つの感染経路

性病のおもな感染経路は、以下の6つです。

  • 性行為(オーラルセックス、アナルセックス含む)
  • キス、ディープキス
  • 血液感染
  • 垂直(母子)感染
  • 自然感染
  • その他の接触による感染

感染の原因を知っておけば正しく予防できるので、より安心して日常生活を送れるようになるでしょう。

性行為|オーラルセックス・アナルセックス含む

ほぼすべての性病は、性行為によって感染する可能性があります。

また、喉や肛門、皮膚などが感染するケースもあるので、オーラルセックスやアナルセックスでも感染する確率は高いです。

感染予防には、コンドームの正しい使用(オーラルセックス、アナルセックス時も含む)や、不特定多数との性行為を避けるなどの対策が欠かせません。

キス・ディープキス

喉や口の中が性病に感染していると、キスやディープキスでもうつる可能性があります。

キスでの感染が考えられるおもな性病は、以下のとおりです。

  • 梅毒
  • 淋病
  • クラミジア
  • 性器ヘルペス
  • トリコモナス症
  • 性器マイコプラズマ
  • ヒトパピローマウイルス感染症

ほとんどの性病は「軽いキスなら感染リスクが低い」と言われています。

それでも、ディープキスをしたり、口の周りに症状がある方とキスをしたりすると、感染する可能性が高いです。

血液感染

血液感染とは、血液に含まれる病原体(細菌、ウイルスなど)が傷口や粘膜から体内に侵入して感染する状態です。

血液を介して感染する可能性があるおもな性病は、以下のとおりです。

  • 梅毒
  • B型肝炎
  • C型肝炎
  • HIV(エイズ)

感染ケースとしては、輸血や注射器の使い回し、患者の血液が傷口に接触するなどが挙げられます。

近年は検査によって、輸血による感染リスクが減っています。

しかし、注射器を扱う医療現場では、医療従事者に注射針が誤って刺さる可能性があるので、感染リスクは高いでしょう。

垂直(母子)感染

垂直感染とは、妊娠している母親の胎盤を通じて胎児に性病がうつる感染経路です。

胎盤で感染しなくとも、妊婦の子宮や膣が感染していると、出産時に「産道感染」を引き起こす可能性があります。

ほぼすべての性病は、垂直感染を引き起こす可能性があります。

子作りを検討しているときや妊娠したときなどは、妊婦健診の際に必ず性病の検査を受けましょう。

自然感染|カンジダ症

カンジダ症は、もともと体内に存在する「真菌」が原因で発症する性病です。

免疫力が下がっていると、感染の原因となる行為(性行為や血液の接触など)がなくても、自然に発症する可能性があります。

とくに、女性の患者が多いですが、男性も発症します。

バランスのとれた食生活や十分な睡眠、適度な運動を心がけて免疫力を高めれば、性病に感染しにくくなるでしょう。

その他の接触による感染

細菌やウイルスが原因の性病は、基本的に性行為によって感染します。

ただし、原因が「寄生虫」の場合、以下のような感染経路も考えられます。

  • 浴槽
  • 温泉の椅子
  • 食器の使い回し
  • 公衆トイレの便座
  • 下着やタオルの共用

上記の感染経路が考えられる淋病やトリコモナス症、アメーバ症は、どれも薬物治療で完治が見込める病気です。

少しでも不安に感じたら早めに病院を受診し、治療を行いましょう。

性病の潜伏期間

性病の潜伏期間とは、感染から症状が出るまでの期間です。

この記事で紹介した11種類の性病の潜伏期間を、以下の表にまとめました。

病名 潜伏期間
クラミジア 約1〜3週間
性器ヘルペス 約4〜7日
B型肝炎 約1〜6ヶ月
梅毒 約1〜13週間
淋病 約2〜10日
カンジダ症 約1〜7日(常在菌のため特定できない)
HIV(エイズ) 数週間〜数十年
ヒトパピローマウイルス感染症 約3週間〜 8 ヶ月(平均 2.8 ヶ月)
マイコプラズマ 約1〜5週間
トリコモナス症 約1〜3週間
アメーバ症 約2〜4週間(数年になる場合もある)

病気の種類によって潜伏期間は異なり、なかには数年〜数十年以上も症状がでないケースがあります。

早めに治療をはじめれば、完治できる可能性があります。

性病の2つの検査方法

性病のおもな検査方法は、以下の2つです。

  • 抗原検査
  • 抗体検査

検査の流れを知っておけば「どんな検査をするんだろう」といった不安がなくなるので、性病の早期発見につながるかもしれません。

抗原検査

抗原検査とは、細菌やウイルスが体内に存在しているかを調べる検査です。

感染が疑われる行為から短期間で実施できる場合が多く、最短で24時間経てば検査が可能です。

調べる部位や病気の種類によってやり方が異なりますが、おもに以下の方法で体液を採取します。

  • 尿検査
  • うがい液
  • ぬぐい検査(ヘラや綿棒で陰部、肛門、目の結膜などの感染部位を拭き取る)

たとえば、喉に感染したクラミジアを検査するときは、綿棒で喉の粘膜を拭き取ったり、うがい液で唾液を採取したりします。

採取した検体からウイルスや細菌を増やして見つけやすくする(核酸増幅検査)ので、判定までに約1週間かかりますが、検査の精度は高いです。

抗体検査

抗体検査とは、ウイルスや細菌に対抗するための免疫(抗体)があるかを調べる検査です。

おもに、採血による血液検査を行います。

感染しても抗体ができるまでに時間がかかるので、疑われる行為から約3〜4週間以上経たないと検査ができません。

検査の結果は、当日〜1週間程度でわかります。

しかし、過去の感染で作られた抗体にも反応するので、現在の感染状況を把握できません。

そのため、2つ以上の検査や抗原検査と組み合わせて感染を確認する場合が多いです。

性病の予防法

性病の感染経路には、血液感染や接触感染(温泉やトイレなど)もあります。

しかし、すべての性病に共通している感染経路は、性行為です。

以下の予防法を徹底すれば、性病の感染リスクを減らせるでしょう。

  • コンドームを正しく使用する
  • 不特定多数との性行為を避ける
  • オーラルセックスでもコンドームを使用する
  • 感染が疑われる相手との性的な接触を控える
  • 肛門を舐める行為を控える(アナルセックスを含む)
  • 予防できる感染症はワクチンを接種する

また、不安に感じたときに検査を受ければ、パートナーへの感染を防げます。

治療で完治が見込める性病も多いので、気になるときは一度専門医を受診しましょう。

当院では、性病の検査と治療を行っています。

早めに治療をはじめれば症状が抑えられるので、少しでも不安に感じたら、気軽に当院を受診してみてください。

よくある質問

性病に関するよくある質問に回答します。

  • 性病の検査にかかる費用は?
  • 性病の検査はどこでできる?
  • 性病で喉の痛みが出ることはある?
  • 性病のセルフチェックはできますか?

それぞれ見ていきましょう。

性病の検査にかかる費用は?

性病検査にかかる一般的な費用は、以下のとおりです。

 

  • 保険診療:約1,000〜3,000円
  • 自由診療:約5,000円〜20,000円
  • セット検査:7,000〜100,000円(自由診療)

 

保険適用と自由診療、検査項目ごとに費用が大きく異なります。

 

住んでいる地域の自治体や保健所が実施している一部の性病検査は、無料で受けられる場合があります。

性病の検査はどこでできる?

性病の検査ができるおもな医療機関は、以下のとおりです。

 

  • 性感染症内科
  • 泌尿器科(陰部に症状がある)
  • 耳鼻咽喉科(喉に症状がある)
  • 皮膚科(皮膚に症状がある)
  • メンズクリニック(男性)
  • 婦人科(女性)

 

症状が出ている部位によって、受診すべき専門機関が異なります。

 

また、B型肝炎やHIVなどの一部の性病は、自治体や保健所が無料で検査を実施しているケースもあります。

性病で喉の痛みが出ることはある?

性病の細菌やウイルスが喉に感染すると、喉の痛みが出る可能性があります。

 

喉の痛みで考えられるおもな性病は、以下のとおりです。

 

  • クラミジア
  • 性器ヘルペス
  • 梅毒
  • 淋病
  • カンジダ症
  • HIV(エイズ)
  • 性器マイコプラズマ

 

喉の痛みが長期間続くときは、一度専門医で性病の検査をすれば改善できるかもしれません。 

性病のセルフチェックはできますか?

症状や心当たりのある行動をもとに、性病のセルフチェックを実施しているメディアやクリニックはあります。

 

しかし、症状が他の性病と似ているケースや、そもそも症状が出にくい性病もあります。

 

最終的には検査で特定する必要があるので、セルフチェックだけで安心せず、気になる症状が続くときは早めに病院を受診しましょう。

まとめ

この記事では、11種類の性病について、症状や感染経路などを解説しました。

  • 性病は11種類以上あり症状や感染経路が異なる
  • 陰部以外に喉や目肛門にも感染する可能性がある
  • 性行為以外にキス血液接触母子感染共有物でも感染する場合がある
  • 潜伏期間は数日から数十年
  • 予防にはコンドームの使用や不特定多数との性行為を避けることが重要

性病には症状が出ないケースや症状が似ているケースも多いので、自覚症状のみでの特定はできません。

また、自然に治癒しないケースが多いので、感染しているときは専門機関での治療が必要です。

少しでも心当たりのある症状が見られるときは、早めに病院を受診して治療すれば、症状を最小限に抑えられるでしょう。

当院では、性病の検査と治療を行っています。

一人一人の症状に合わせて必要な検査を判断し、できる限り身体に負担をかけない治療法を提案します。

早めに治療をはじめれば完治できる可能性があるので、少しでも不安に感じたときはお気軽に当院にお問い合わせください。